「太陽光発電って本当にエコなの?」そのギモンを徹底的に解明!

太陽光発電

太陽光発電といえば、一般的に「エコで省エネ」という印象が強い存在ですが、一方で「本当に地球に優しいの?」「むしろ環境に悪いのでは?」という疑念を持つ方も、少なからずいらっしゃいます。
今回は、太陽光発電に抱きがちな疑問に1つずつ答える形を取りながら、実際エコなのか、エコじゃないかを解明していきたいと思います。

ソーラーパネルに関するギモン

ソーラーパネルの生産に使うエネルギーは無駄じゃないの?

この疑問を解決する前に、まずは「エネルギーペイバックタイム」、通称「EPT」についてご説明する必要があります。

EPTは「エネルギー回収期間」を意味しており、太陽光や風力などの再生可能エネルギー(以下再エネ)を用いた発電システムが、生産時に消費したエネルギーを自らの発電によって回収するまでの期間を指しています。
この期間が短ければ短いほど環境負荷が少ないとされているため、再エネシステムの運用における重要な指標の1つとされています。

そして数年前、欧米のメーカーを対象に行った調査によると、太陽光発電システムのEPTは設置から1~5年以内だということが分かっています。
システム自体の寿命が約30~40年であることを踏まえると、かなり早期でのエネルギー回収が実現できると言えるでしょう。
よって、ソーラーパネルの生産時に使ったエネルギーが無駄になる可能性は極めて低いです。

ソーラーパネルは生産時にCO2を排出するって本当?

前述したEPTと同様に、CO2に関しては「CO2ペイバックタイム」(通称CO2PT)という指標が存在します。
これは再エネシステムの生産時に発生するCO2を、システム運用開始後のCO2削減効果によって取り戻す期間を意味しています。
産業技術総合研究所のデータによると太陽光発電システムの場合、ソーラーパネルの種類によって若干の差はあるものの、基本的には1~3年以内には生産時に発生したCO2を回収できることが分かっています。

さらにオランダの某大学における研究によると、生産技術が進歩するにつれ、CO2を含む温室効果ガスの排出量は年々減少しているということも報告されています。
これらの情報は、太陽光発電が「エコ」と言われるに相応しいことを示してくれていますね。

まだまだ生産における技術革新の余地はあるとされているので、今後のさらなる温室効果ガス削減に期待したいところです。

ソーラーパネルは原発同様、廃棄方法が確立されてない?

ソーラーパネルには鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれているため、「最終処分場」という決められた場所に適切に廃棄する必要があります。
しかしこの最終処分場も、「早ければ2040年にはひっ迫するのでは」と言われており、大量廃棄に対する懸念が囁かれています。
先の東日本大震災では、原発の廃棄方法が確立されていなかった点が問題視されたこともあったため、「他の発電システムの廃棄方法は大丈夫なの?」と不安を覚える方がいるのも当然でしょう。
そのため太陽光発電を初めとする再エネ分野では、使用済み設備のリサイクルを推進する動きが年々活発になっています。

環境省が作成したリサイクルに関するガイドラインによると、「ソーラーパネルに使用されている金属、ガラス、シリコンなどの物質は再資源化し、それ以外の有害物質のみを適正処分することが望ましい」とされています。
ガイドラインの通りに再資源化できる物質を選別した場合、なんと一枚のソーラーパネルのうち約95%の部分は、リサイクルが可能との見解も出てきています(もちろんパネルの種類によって若干の差はあり)。

また使用済みパネルを点検し、中古品として販売する「リユース」に取り組む企業も、近年では増えてきています。
しかし、これらのソーラーパネルを再利用する動きはまだまだ普及しきっているとは言い切れないため、今後20年の間に浸透してくれることを願うばかりです。

設置や発電に関するギモン

太陽光発電システム設置のために森林伐採するって本当?

太陽光発電システムが原因とされる環境破壊において、最も問題視される点と言っても良いのが「産業用のメガソーラー建設における森林伐採」です。
メガソーラーを建設するためには、広く日当たりの良い土地が必要となりますが、売電制度の黎明期には売電収入に目が眩んだ事業者たちにより、建設のため所かまわず木々や植物を伐採する事例が多く発生しました。

これにより数々の美しい自然が破壊された結果、当然のごとく地域住民たちの怒りに触れ、 その結果大規模な反対運動にまで発展するケースも多発しました。
近年ではこのような事例は減少したものの、一度伐採された森林が元に戻ることは難しく、また、いつかは戻るとしても、それまでには非常に長い年月がかかるでしょう。

このように、環境に配慮するために生み出された太陽光発電が自然環境を破壊してしまっては元も子もありません。
もしメガソーラーの建設をお考えの場合は、環境への負荷が少ない土地をなるべく選ぶようにし、また住宅用システムの設置をお考えの方は「自分には関係ない」と思わず、
太陽光発電が持つ本来の役割をしっかり把握し、理解を深めたうえで設置計画を立てることをお願いします。

発電時に電磁波が出て危険だって聞いたけど…

確かにソーラーパネルやパワコンからは、稼働時に微量の電磁波が発生します。

しかし、少し考えてみてください。
スマートフォン、タブレット、パソコン、ゲーム機…などなど、現代を生きる私たちの周りには、常に数多くの電気機器が存在しています。
そしてそのほとんどが微量の電磁波を発生させていますが、それが原因で体調を著しく崩したり、不快感を覚えたという方は少ないのではないでしょうか。

要は、太陽光発電システムから電磁波が出ているからといって、あまり気にしすぎる必要はありません。
電磁波については他記事で詳しく書いていますので、興味のある方はそちらも併せてチェックしてみてください。

地球環境を守っていくためには

売電制度の策定や蓄電池の誕生など、太陽光発電システムが一般家庭に普及するまでには、専門家や有識者たちによる様々な努力がありました。
その結果、今日の高い設置率に繋がりましたが、一方で「なぜ普及されるようになったのか」を掘り下げる方は、年々減ってきているようにも思えます。

前々項でも述べましたが、太陽光発電普及の一番の目的は、やはり「環境負荷の軽減」です。
私たちはそのことを深く理解し、また急速な経済成長を遂げる中で、一度は壊しかけた自然の恩恵を受けているということも忘れてはなりません。
太陽光発電システムを既に導入済みの方も、まだ検討中の方も、日ごろからこのような意識を心掛けておけば、それだけでも長期的な地球環境の保護に繋がると言えるでしょう。

まとめ

太陽光発電システムは総合的に見れば、やはり「エコ」な存在だということが分かりました。
しかし人がぞんざいに扱ったり、私利私欲のために利用してしまうと、結果として環境を壊す原因にもなる可能性があるということも分かりました。
システムが正しく運用されるかどうかは、私たち「人」の手にかかっていると言えます。

今後さらに人々のエコへの意識が高まり、より自然と人が共存できる世界へ近づくことを期待したいですね。

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