国が保護する自然のユートピア!日本を代表する国立公園10選

自然

国立公園とは、その国が有する美しい自然、野生動植物、歴史、文化などを後世まで残していくために、国が保護・管理を行っているエリアのことです。
有名な国立公園がある地域といえば、南米、北米、北欧などが浮かびますが、日本も負けてはいません。 今回は、日本が世界に誇る国立公園を10箇所紹介していきます。

利尻礼文サロベツ国立公園(北海道)

利尻礼文サロベツ国立公園は、日本最北の国立公園です。
利尻はアイヌ語で「高い島山」という意味を持つ「リイシリ」に由来し、礼文は同じくアイヌ語で「沖の島」という意味を持つ「レプンシリ」に由来しています。
その名の通り、円錐状に天高くそびえた美しい利尻山(利尻富士)を有する利尻島、「花の浮島」という通称どおり200種類以上の高山植物が咲き乱れる礼文島、日本最大面積の高層湿原を有しラムサール条約にも登録されているサロベツ原野など、数々の原生的な自然スポットによって構成されています。

阿寒摩周国立公園(北海道)

国立公園に指定された阿寒摩周国立公園は、日本最古の国立公園の1つです。
今から約90年前の1934年に「阿寒国立公園」として指定され、2017年にさらに保護区域を広げたことをきっかけに「阿寒摩周国立公園」に改称しました。

公園区域の大部分が、エゾマツやトドマツなどの針葉樹林を中心とする天然林で被われており、原始的な姿をとどめています。
また、公園内には阿寒湖、屈斜路湖、摩周湖という3つのカルデラ湖があります。
カルデラ湖とは、火山の活動によって大きく凹んだ場所にできた湖のことです。
いくつもの火山と湖が近接している地形は日本国内でも珍しく、中でも屈斜路湖は世界有数の面積を誇っています。

十和田八幡平国立公園(青森・秋田・岩手)

十和田八幡平国立公園は、青森県、岩手県、秋田県にまたがる国立公園です。
公園一帯が那須火山帯に含まれており、頻発する火山活動から豊富なデータを得られるため、別名「火山博物館」と呼ばれています。

大きく分けて「十和田湖周辺」と「八幡平地域」の2つのエリアで構成され、特に日本有数の火山地域である八幡平地域では特徴のある秘湯が多数湧出しており、温泉地としても人気です。
また温泉だけでなく、地熱を利用した本格的な岩盤浴を体験することもできます。

中部山岳国立公園(新潟・富山・長野・岐阜)

中部山岳国立公園は、新潟県、富山県、長野県、岐阜県にまたがる国立公園です。
阿寒摩周国立公園と同じ1934年に誕生した、日本最古の国立公園の一つです。

この公園は、北アルプス一帯を占める国内有数の山岳公園となっており、立山連峰、穂高連峰、乗鞍岳など、標高3,000m級の山々で構成されています。

険しい岩壁や渓谷、高山帯の花畑やライチョウ、氷河が削ったU字谷、火山活動が形成した湖や溶岩台地など、多彩な山岳景観が並んでします。

日光国立公園(栃木・群馬・福島)

日光国立公園は、栃木県、群馬、福島にまたがる国立公園です。
阿寒摩周国立公園、中部山岳国立公園とともに1934年に指定された、日本最古の国立公園の一つです。

大部分を那須火山帯に属する山岳地帯が占めており、公園内は大きく分けて、「日光地域」「鬼怒川・栗山地域」「那須甲子・塩原地域」の3つのエリアで構成されています。
日光地域には男体山や女峰山などの成層火山や、溶岩ドームによって形成された太郎山や日光白根山などがあります。
那須甲子地域には、現在も噴煙を上げている茶臼岳を中心とする那須連山などがあります。

公園内には、シラネアオイやコウシンソウなどの貴重な高山植物のほかに、ツキノワグマやニホンザルなどの野生動植物が多数生息しています。
また、鬼怒川温泉などの温泉地や、日光東照宮などの神社仏閣を多く有している点も特徴です。

伊勢志摩国立公園(三重)

伊勢志摩国立公園は、三重県志摩半島一帯からなる国立公園です。
1946年に戦後初の国立公園として指定され、2016年にはG7伊勢志摩サミットが開催されたことでも知られています。

公園内は大きく分けて、「内陸」と「海沿い」の2つのエリアで構成されています。
内陸には、2,000年の歴史を持つ伊勢神宮と温暖な気候による豊かな森林環境が広がっており、海沿いには美しく複雑なリアス海岸の多島景観が展開しています。

伊勢志摩国立公園が他の国立公園と大きく異なる点は、公園内の90%以上が私有地だという点です。
公園区域と生活圏の大部分が重なっているため、その土地に暮らしながら伝統的な歴史、文化、自然に触れることができます。

大山隠岐国立公園(鳥取・島根・岡山)

大山隠岐国立公園は、鳥取県、島根県、岡山県にまたがる国立公園です。
公園内は大きく分けて、「大山蒜山地域」「隠岐地域」「島根半島地域」「三瓶山地域」の4つのエリアで構成されています。

大山をはじめとした雄大な山々が連なる山岳地帯、豊かな森林環境、波浪に揉まれて形成された独特の海岸地形など、個性の異なるさまざまな景観を有しています。
また、山岳地帯ではシカやイノシシ、沿岸部ではウミネコやセグロカモメなど、それぞれの環境で生きる多様な野生動植物を見ることができます。

阿蘇くじゅう国立公園(熊本・大分)

阿蘇くじゅう国立公園は、熊本県と大分にまたがる国立公園です。
阿寒摩周国立公園、中部山岳国立公園、日光国立公園とともに1934年に指定された、日本最古の国立公園の一つです。
熊本県の旧名である「火の国」の由来と言われる阿蘇山や、九州本土最高峰の中岳(※)を有する九重連山などを有しています。

公園南部に位置する阿蘇山周辺には、噴煙を上げる中岳の火口、円錐形をした米塚、広々とした草原を有する草千里ヶ浜など、雄大で美しい自然の姿が並んでいます。
また、特徴的な火山地形を利用して、多くの温泉施設や地熱発電所が建設されています。
このような火山と草原のコントラストこそが、阿蘇くじゅう国立公園の大きな魅力です。

なお、山麓では毎年春になると、大規模な野焼きと採草が行われます。
これは広大な草原景観を維持するための取り組みとなっており、1000年以上も前から続けられています。

※中岳…阿蘇山を構成する山の一つ

霧島錦江湾国立公園(宮崎・鹿児島)

霧島錦江湾国立公園は、宮崎県、鹿児島県にまたがる国立公園です。
阿寒摩周国立公園、中部山岳国立公園、日光国立公園、阿蘇くじゅう国立公園とともに、1934年に最初の国立公園として誕生しました。
日本で唯一、巨大カルデラ火山の列で構成されている国立公園となっています。

公園北部の霧島には大小さまざまな火山が連なっており、その数は20以上にもなります。
火山活動によって誕生した火口湖、温泉、高原など、手つかずの自然が数多く残されています。
一方、海域を含む公園南部では、世界的にも有名な桜島が今なお活発な火山活動を続けています。

その他、薩摩半島側には美しい山体を持つ開聞岳、大隅半島側には本土最南端であり亜熱帯植物が多数生育する佐多岬など、海と火山によって形成される独特な景観が広がっています。

やんばる国立公園(沖縄)

やんばる国立公園は、沖縄県北部に位置する国頭村、大宜味村、東村の3つの村からなる国立公園です。
2016年に誕生した、比較的新しい公園です。
公園内には、沖縄神話に霊山として登場する辺戸岳、河口にマングローブが生い茂る慶佐次川、沖縄本島最大級の落差と水量を誇る比地大滝などがあります。

「やんばる(山原)」とは、沖縄県北部の総称として古くから使われていたうちなーぐち(沖縄方言)で、
「山々が連なり森の広がる地域」を意味しています。
その名の通り、公園面積の約80%がスダジイやイジュなどの照葉樹林で被われています。

また、やんばる国立公園の面積は日本全体のわずか0.1%程度にもかかわらず、公園内ではヤンバルクイナをはじめとした多種多様な野生動植物が生息しています。

まとめ

一口に国立公園と言っても、自然環境や生息する動植物は、地域によってさまざまだということが分かりましたね。 新型コロナウイルスが収束した暁には、気になる国立公園へ実際に足を運んでみてはいかがでしょうか?

(2021/12/18 更新)

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