国立公園発祥の地・アメリカの代表的な国立公園10選

自然

前回の記事では日本の代表的な国立公園について紹介しましたが、実は国立公園という制度の発祥の地はアメリカだということをご存知でしょうか?
1872年、当時の大統領ユリシーズ・S・グラント氏によって、世界最初の国立公園としてイエローストーン国立公園が指定されたのがはじまりです。

現在、アメリカには59の国立公園が存在し、このうち10ヶ所が世界遺産に登録されています。
今回は、そんなアメリカを代表する10の国立公園を紹介していきたいと思います。

イエローストーン国立公園

冒頭でも述べたように、イエローストーン国立公園は世界で初めて誕生した国立公園です。
アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州にまたがり北米最大の火山地帯を誇っています。

園内には多くの噴火口があり、最も古い噴火口は1800万年前のものだと言われています。
2021年現在も火山活動を行っており、数百ヶ所から熱水を噴き上げています。

火山活動によって生まれた間欠泉や温泉、噴気孔など、さまざまな観光スポットが点在しており、火山地帯ならではの迫力のある自然に触れることができます。
一方で、地面の温度が100度を超える場所が出現したり、温泉や間欠泉の熱湯による事故が度々発生したりするなど、危険な一面もあります。

また、この公園は地上に残された数少ない手つかずの巨大温帯生態系であるイエローストーン生態系の中心となっており、バッファロー、アメリカアカシカ、コヨーテなど多くの野生生物が生息しています。

イエローストーン国立公園は、1978年に世界遺産に登録されています。

グランドキャニオン国立公園

グランドキャニオン国立公園は、アリゾナ州北西部に位置する、アメリカで最も古い国立公園の一つです。

この公園内のシンボルである大渓谷グランドキャニオンには、コロラド高原がコロラド川に浸食されたことで生まれた地形です。

表面には、古代から刻まれた地層が露出しており、肉眼で観察することができます。
地球の歴史が刻まれている価値と、その荘厳かつ雄大な景観から、グランドキャニオンの存在は「大自然の驚異」だと言われています。

また、公園内には1500種以上の植物、355種の鳥類、89種の哺乳類、47種の爬虫類、9種の両生類、17種もの魚類が生息しています。

グランドキャニオン国立公園は、1979年に世界遺産に登録されています。

ヨセミテ国立公園

ヨセミテ国立公園は、カルフォルニア州中央部中央部に位置する国立公園です。
「ヨセミテ」という名は、この公園のある地で昔暮らしていた部族の呼称から名付けられました。

この公園はシエラネバダ山脈の西山麓に広がっており、そびえ立つ絶壁と山々、そこを流れ落ちる巨大な滝、木々や谷の間を流れる美しい大小の川、ジャイアントセコイアの森林などが有名です。
広大な土地にはほぼ手つかずの大自然が残されており、公園内の約95%の敷地は原生地域に指定されています。

また、ヨセミテ国立公園はシエラネバダ山脈の中で最大規模かつ最もまとまった動植物の生息地であり、多様な生態系を育んでいます。
カリフォルニア州には7,000種の植物が生えていますが、そのうちの50%がシエラネバダ山脈にあり、20%以上がヨセミテ公園内で見ることができます。

ヨセミテ国立公園は、1984年に世界遺産に登録されています。

エバーグレーズ国立公園

エバーグレーズ国立公園は、フロリダ州南部に位置する湿地・エバーグレーズを保護する国立公園です。

海水と淡水が交わる豊かで広大な湿地帯には、ワニや野鳥をはじめとした野生生物が多数生息しています。
公園内には多くのトレッキングコースがあり、その中で最も有名な「アンヒンガ・トレイル」では、水鳥を間近で観察することができます。

しかし、エバーグレーズ国立公園は度重なるハリケーン被害や農地化の影響を受けたことによって、近年では「危機遺産」となってしまっています。
公園内には、フロリダパンサーやフロリダピューマなどの絶滅危惧種も生息しているため、自然環境と生態系を守るための努力が続けられています。

エバーグレーズ国立公園は、1979年に世界遺産に登録されています。

マンモス・ケーブ国立公園

マンモス・ケーブ国立公園は、ケンタッキー州中央部に位置する国立公園で、世界で最も長い洞窟群である「マンモス・ケーブ」を敷地内に有しています。

マンモス・ケーブは、古生代ミシシッピ紀の厚い石灰岩層中に形成されており、石灰岩層の上には砂岩層が水平に被さっています。
このため全体が非常に頑丈な岩相となっており、長さは591キロにも及んでいます。

洞窟群の中には、コウモリ、ザリガニ、コオロギなどが生息し、特にコオモリは多い時で900万~1200万匹生息していたと考えられています。
公園が行っている洞窟ツアーでは、マンモス・ケーブの成り立ちや洞窟で暮らしていた人類の歴史などを学ぶことができます。

マンモス・ケーブ国立公園は、1981年に世界遺産に登録されています。

カールズバッド洞窟群国立公園

カールズバッド洞窟群国立公園は、ニューメキシコ州エディ郡に位置する国立公園です。
ペルム紀の化石礁のある「カールズバッド洞窟」と、その他多数の洞窟を保護しています。
公園内には80~110程度の洞窟があると考えられており、そのうちの一つである「レチュア・ケーブ」は、アメリカで最も深い洞窟として知られています。

また、カールズバッド洞窟の中には、約100万匹のメキシコ・オヒキコウモリが生息しています。
日中、メキシコ・オヒキコウモリはカールズバッド洞窟の入り口近くにある「バット・ケイブ」と呼ばれる通路の天井に群がっていますが、夕暮れになると巨大な群れとなって飛び出し、まるで美しいショーのように舞う姿が見られるそうです。

カールズバッド洞窟群国立公園は、1995年に世界遺産に登録されています。

グレート・スモーキー山脈国立公園

グレート・スモーキー山脈国立公園は、南アパラチア山脈にまたがる国立公園です。
公園の標高は低いところで250メートル、高いところでは2,000メートルにも及んでいます。

この公園は敷地内の約95%が森で構成されており、そのうち4分の1が原生林となっています。
このような標高の多様性、原生林の存在、また降水量の多さなどによって、豊かな生態系が育まれています。

公園内には、約1万種の動植物が生息しており、さらにまだ発見されていない生物が9万種ほど生息していると考えられています。
中でもサンショウウオをはじめとした両生類が多数生息しており、「サンショウウオの世界の首都」と呼ばれることもあります。

グレート・スモーキー山脈国立公園は、1983年に世界遺産に登録されています。

オリンピック国立公園

オリンピック国立公園は、ワシントン州オリンピック半島に位置する国立公園です。
巨大な氷河に覆われたオリンピック山脈、先住民が暮らす太平洋の海岸線、トウヒやモミなどの木々が生い茂る温帯雨林地域の3つのエリアから構成されています。

山脈によって孤立した地域には、オリンピックマルモットをはじめとする固有種が多数生息しています。
また、温帯雨林のホー・レインフォレストにはトレッキングコースが整備されており、鮮やかな緑が織りなす雨林を肌で感じることができます。

オリンピック国立公園は、1981年に世界自然遺産に登録されています。

メサ・ヴェルデ国立公園

メサ・ヴェルデ国立公園は、コロラド州南西部に位置する国立公園です。
園内には、プエブロインディアのアナサジ族が築いた岩窟住居や石造りの塔など、考古的な意味合いを持つ遺跡が4,000以上あります。

これらの遺跡はいずれもアメリカで最も有名で、かつ最高の保存状態を誇っています。
断崖絶壁に築かれた古代の人々の暮らしの痕跡は、悠久の歴史と自然の偉大さを物語っています。

メサ・ヴェルデ国立公園は、1978年に世界遺産に登録されています。

レッドウッド国立州立公園

レッドウッド国立州立公園は、カリフォルニア州に位置する国立・州立公園です。
レッドウッドとは、別名イチイモドキとも呼ばれるセコイアの木の一種です。
世界最古の樹木とされており、平均樹齢は600年だと考えられています。

その名の通り、レッドウッド国立州立公園は敷地内の3分の1がレッドウッドの原生林で覆われています。
「ビッグ・ツリー」とも呼ばれるカルフォルニアのコースト・レッドウッドは、地上で最も高く伸びる樹種だと言われており、園内で最も高い木は115.5メートルだそうです。

レッドウッド国立州立公園は、1980年に世界遺産に登録されています。

まとめ

今回は、世界遺産に登録されているアメリカの国立公園10ヶ所を紹介しました。
大渓谷、巨木林、古代遺跡など、アメリカならではのスケール感には圧倒されるばかりですね。
コロナが収束し、海外に自由に行けるようになった暁には、是非旅行先に選んでみてはいかがでしょうか?

(2021/12/18 更新)

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