蓄電池の設置はメリットだらけ!仕組みや特性をチェック!

蓄電池

太陽光発電システムについて語られる時、必ずセットで付いてくる蓄電池。
「聞いたことはある」という人は多くても、実際に蓄電池がどんな働きをするのかについては、意外と知られていないのではないでしょうか。
そこで今回は、蓄電池の仕組みや特性をチェックしつつ、太陽光発電システムと併用するとどんなメリットがあるかについて解説していきます。

蓄電池の特性

知らなかった!蓄電池の仕組み

一般的に、私たちがテレビのリモコンや目覚まし時計などに使う乾電池は「一次電池」と呼ばれますが、一回きりの使い捨てであるのが特徴の一次電池に対し、充電すれば繰り返し使用できる電池を「二次電池」と言います。
スマートフォンやタブレット内のバッテリーはこの二次電池に該当し、蓄電池もこれに含まれます。

通常、電池は回路に繋ぐことで負極(マイナス)側に溜まった電子を正極(プラス)側に送り、 その結果電気が発生することを「放電」と言います。
一次電池の場合この化学反応が起きるのは一回きりですが、二次電池の場合は放電後に正極から負極に電流を送ることで、放電前の状態に戻すことができます。
これを「充電」と言います。
電子機器を持ち歩く現代人とって「充電」という響きは非常に身近ですが、中でこのような化学反応が起こっていたと知っている人は、案外少ないのかもしれません。

こんなにあるの!?蓄電池の種類

一口に蓄電池と言っても、その種類は様々です。
原料によって特徴もそれぞれ異なっているため、ポイントを押さえて一種類ずつ確認していきましょう。

鉛蓄電池

現在普及している蓄電池の中では最も古く、今から160年以上前の1859年にフランス人科学者であるガストン・プランテによって発明されました。
寿命の長さや汎用性の高さに定評があり、自動車やゴルフカートのバッテリーなど様々な分野で活躍しています。
エネルギーの性質上、小型化が難しい点がデメリットとして挙げられますが、長い歴史の中で確かな評価を築いてきた、最も信頼性の高い蓄電池の一つです。

NAS電池

国内メーカーにより開発及び生産が行われ、世界で初めてメガワット級の電力貯蔵に成功した蓄電池です。
コンパクトかつ大容量な上に、他の蓄電池と違いサイクル数(繰り返し使用できる目安回数)に制限がなく、長期間使用できる点が人気を集めています。
しかし、電解液内に硫黄やナトリウムなどの危険物指定されている成分が含まれているため、特に家庭用としては、取り扱う上での安全性の低さが懸念されています。

ニッケル水素電池

エネルギー密度の高さやコンパクトな点が人気を博している反面、しばらく使用していないと自然に放電し、消耗してしまう点がデメリットとして挙げられています。
数年前、充電して繰り返し使える乾電池「エネループ」が登場し話題となりましたが、このエネループに使われているのがニッケル水素電池です。

リチウムイオン電池

現在、家庭用蓄電池の中では最も多くのシェア数を誇っている蓄電池です。
ニッケル電池と同様エネルギー密度が高く、大幅な小型化及び軽量化に成功しています。
さらにニッケル水素電池の課題である「自然放電」の問題もクリアしているため、近年ではスマートフォンやタブレットのバッテリーにも主流として用いられています。

どれがいいの?蓄電池の選び方

容量・見た目・コスト等々、蓄電池を選ぶ際のこだわりは人によって様々です。
蓄電池の種類と同様、選び方についても一つずつ確認していきましょう。

屋外設置or屋内設置

元々屋外型しかなかった蓄電池ですが、ニッケル水素やリチウムイオンなどの軽量化が可能な電池が登場してからは、コンパクトかつ大容量な屋内型も増えてきています。
「住宅内は広々と使いたい」と言う場合は屋外型、「なるべく目の届くところに設置したい」という場合は屋内型を選ぶなど、ご自身の生活状況と照らし合わせて選ぶことをお勧めいたします。

サイクル数

空っぽの蓄電池に満充電した後、また空っぽになるまで使い切ることを「1サイクル」と言い、これを繰り返せる回数を「サイクル数」と言います。
鉛蓄電池なら約3100回、リチウムイオン電池なら約4000回と言われていますが、これは蓄電池の種類に限らずメーカーによっても異なってきます。
サイクル回数はあくまでも目安なため、規定回数を過ぎたからと言ってすぐに使えなくなるわけではありません。
しかしなるべく長く使っていきたい場合は、やはり比較的サイクル数の多い蓄電池を選ぶのがベターでしょう。

保証期間

種類を問わず、蓄電池の寿命は平均して10年程度と言われています。
メーカーによってはその内の7年間、または丸々10年間保証が適用される場合もあります。
設置をお考えの方が最も安心して使える蓄電池を見つけられるよう、当社としても丁寧にサポートさせていただきます。

ここまで蓄電池の特性や仕組み、種類について見てきましたが、次の章では、蓄電池を実際に導入した際の利点、また太陽光発電との相性について見ていきましょう。

蓄電池設置におけるメリット&注意点

相性ばっちり!太陽光発電と蓄電池

蓄電池はそれ単体で設置し、電力会社から供給される電気を貯めておくことも可能です。
しかし太陽光発電システムで自家発電した電気を貯め、その電気を生活の中で使用すれば、電力会社から電気を買う料金を削減することが出来ます。
また常に電気を蓄えておけば、万が一の災害に見舞われた場合、貴重なライフラインとして大いに活躍してくれることでしょう。
まだ記憶に新しい2019年9月の台風15号被害においても、蓄電池はその力を発揮しました。

実際に当社で蓄電池を設置後、被災された方からは、

「暑さに弱いペットがいたが、エアコンが使えたのでなんとか乗り越えられた!」
「給湯器が使えたのでお風呂に入ることが出来た!」
「冷蔵庫内の食材を傷めずに済んだ!」

などのお声が多数届きました。
自家発電及び自家消費できる設備を整えておくことは、何が起こるか分からない未来への投資になるとも言えるでしょう。

最近人気の「ハイブリッド蓄電池システム」って?

太陽光で発電した電気を家庭で使用できる電気に変換するためには、パワーコンディショナー(通称パワコン)の存在は必要不可欠です。
しかし太陽光発電システムに蓄電池を同時設置する場合、従来ならばパワコンを二台設置しなければならず、そのため設置場所やコストの面から
敬遠される方が少なくありませんでした。
また、二台のパワコンを経由することで発電分のロスが生じてしまい、せっかく作った電気を無駄にしてしまう点も懸念されていました。

しかし近年、太陽光発電システムと蓄電池の両方に一台で対応可能な制御機能を搭載した「ハイブリッド蓄電池システム」が登場しました。
パワコンが一台で済むため導入コストが低減する点や、電気のロスを抑えて発電及び蓄電できる点が人気を集め、現在では主流のシステムになりつつあります。

蓄電池を設置する際の注意点

ここまでの時点で、「蓄電池って凄い!今すぐにでも設置したい!」と思われた方もいるかもしれません。
しかし蓄電池を設置するためには、先立って押さえておくべき幾つかの重要なポイントがあります。

一般的に蓄電池は

・高温多湿
・直射日光
・急激な気温の変化

に弱いとされています。
屋外に設置する場合はなるべく日照時間の短い北側を選び、屋内の場合は湿度の高い水回りは避けるなど、事前に住宅内外の状況を把握して目安を立てておくことが大切です。
蓄電池を最大限長く安全に使用するためには、最適な環境を整えておくことは必要不可欠と言っても過言ではないでしょう。

まとめ

太陽光で発電した電気は「すぐに使う」だけではなく、「今後に備えて貯めておく」時代に変わりつつあります。
ここまで読んでみた上で「それでも最適な蓄電池が分からない…」と言う場合は、どうぞお気軽に当社までお問い合わせください。
それぞれの利用者様の暮らしに最も合った蓄電池が見つけられるよう、全力でお手伝いをさせていただきます。

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