太陽光だけじゃない!水力、風力、地熱…様々な再生可能エネルギー

エネルギー(再エネ・化石燃料etc.)

再生可能エネルギー(以下、再エネ)とは、「化石燃料などの有限エネルギーとは違い、温室効果ガスを排出せず、自然界に存在するものから永久的に生み出せるエネルギー」のことを指します。

21世紀に入って以降、環境問題の解決に対する人々の意識は飛躍的に高まり、その結果再エネの普及率も飛躍的に向上しました。
中でも当社が扱っている太陽光発電システムは、住宅への導入のしやすさもあってか、再エネ利用システムの中ではトップクラスの運用数を誇っています。

そして、地球上には太陽光以外にも再エネが沢山存在し、それぞれが異なる特性や利点を持っています。
日本は国内における資源が乏しく、現状のエネルギー自給率は10%以下とも言われているため、この数値の低さを改善するためには、様々な再エネを活用することが非常に重要となります。

そこで今回は、既に実用化されている再エネから研究開発中の再エネまでを幅広くチェックし、今後の私たちのエネルギー運用について考えていきたいと思います。

水力発電

水力発電は、高い場所から低い場所に水が流れ落ちる際のエネルギーを活用して行われます。
世界的に見ても水力発電の歴史は古く、日本では何と約130年以上も前から水力発電所が存在していたそうです。
何より水力発電は、変換効率が最大で約80%と非常に高い点が特徴です。
その数値を知ると、日本において水力が貴重なエネルギー源として重宝されることにも納得しますね。

そして水力発電所には、主に「ダム式」と「水路式」の2種類があります。
こう聞くと、多くの人がまず初めに思い浮かべるのは、黒部ダムや九頭竜ダムなどの大型ダムではないでしょうか。

もちろん、それらも立派な水力発電システムであることには変わりありませんが、近年では中小規模の水力発電所が各地に建設されるケースも増えてきています。
そして、大型ダムの場合は河川の流水を主に利用するのに対し、中小規模システムの場合は農業用水や上下水道を利用することもあるなど、その運用方法は年々多様化が進んでいます。

風力発電

風力発電は、水力発電と同様もしくはそれ以上に歴史が古く、起源は何と10世紀頃にまで遡ると言われています。
その仕組みは至ってシンプルで、風の力を利用して風車(タービン)を回し、その発生したエネルギーが電力として変換されます。

風力発電の根幹を成しているとも言える風車は、創作物にも度々登場することが多く、1605年に出版された小説「ドン・キホーテ」の中で主人公が風車を巨人だと思い込み突撃するシーンは、文学史に残る名シーンとして今でも語り継がれています。

また、水力発電ほどではないにせよ、風力発電も変換効率が約40%と高い点が特徴です。
何より太陽光発電が夜間は発電できないのに対し、風力発電は風さえあれば、昼夜を問わず発電を行うことができます。

とはいえ、風車が設置できるのは障害物のない沿岸部や広い土地に限られていたり、その日の風量によって発電量が変わってしまうなど、さらなる普及には課題がまだまだあることも事実です。
今後それらの課題が解決され、より風力発電を導入しやすい体制ができることに期待したいですね。

地熱発電

地熱発電は、地下深くにあるマグマの熱を利用する発電方法です。
日本はちょうど火山帯に位置しており、そのために地震が発生することも多いのですが、見方を変えれば地熱発電に適した地形をしているとも言えます。
1966年、岩手県に国内初の地熱発電所ができてからは、 東北や九州地方を中心に少しずつ普及が進んでいきました。

2022年現在、地熱発電による総発電量は、太陽光発電、水力発電、風力発電に比べるとまだまだ少ないのが現状です。
それでも、発電に用いた高温の熱水や蒸気を第一次産業(農業や漁業などのこと)や地元施設の暖房に再利用できる点や、昼夜問わず安定した発電を行える点に関しては、他の再エネに勝るとも劣らないと言えるでしょう。

バイオマス

バイオマスとは、動植物などから生まれた有機資源の総称、またはそれらの資源を利用することを指します。
バイオ(bio)は「生物資源」、マス(mass)は「量」の概念を表しています。

バイオマスには大きく分けて、以下の3種類があります。

・廃棄物系バイオマス(廃棄される食物や紙、家畜の排泄物、建築現場や工事現場から出た残材など)
・未利用系バイオマス(稲わら、もみ殻、林地残材など)
・資源作物(なたね、トウモロコシ、ヤナギなど)

これらを燃焼させる、あるいはガス化させることで電気を作る「バイオマス発電」、燃焼したことで発生した蒸気やメタンガスを利用する「バイオマス熱利用」など、バイオマスには様々な活用方法があります。

なお、「燃やしたら二酸化炭素が出るんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、バイオマスを燃焼した時に発生するCO2は、植物の中に元々含まれているCO2と同質であるため、地球温暖化の原因である温室効果ガスとは別物になります。
そして、バイオマスが持つこの特徴は「カーボンニュートラル」と呼ばれ、地球に本来必要なCO2の量を保つことに貢献しています。

太陽熱利用

太陽から生み出される再エネと言えば、やはり太陽光が真っ先に頭に浮かびますが、実は太陽熱も再エネとして利用できるということをご存知でしょうか?
太陽熱を集熱器に集めることで、その熱を用いて熱風や温水を作り出すことが可能となり、これを「太陽熱利用システム」と言います。

太陽光に比べると若干知名度が低い太陽熱ですが、実は約50~60%もの発熱効率を誇る非常に優れたエネルギーです。
近年では、太陽熱を利用して空調と給湯の2つを補う「ソーラークーリングシステム」を推奨するガス会社も増えており、今後どれだけの企業や家庭に導入されていくのかが期待されています。

まだまだ可能性は無限大!その他の再生可能エネルギー

これまで主力として挙げたもの以外にも、まだまだ多くの再エネが地球上には存在します。
その中には地域の特性を活かしたものから、従来のエネルギーシステムを応用したものなどもあり、再エネが多様化への道を着実に歩んでいることが分かります。
最後の章では比較的新しい再エネ、または研究中の再エネをチェックしつつ、「再エネのこれから」について考えていきましょう。

雪氷熱利用

雪氷熱利用とは、冬の冷たい外気で凍った氷をコンテナに保管しておき、冷気が必要な夏季になったら利用するという再エネ運用方法です。
雪氷熱エネルギーは「地域の気象特性を活かしたエネルギー」として近年注目を集めていますが、一方で「北海道などの寒冷地以外では運用が難しい」という面もあります。

温度差熱利用

地下水、河川水、下水などの水が持つ熱を利用し、冷暖房などのエネルギー源にすることを温度差熱利用と言います。
90年代頃は地域の熱供給源として日本各地で普及が進みましたが、 ここ十数年は導入する家庭があまり増えていない点が課題として挙げられています。
しかし今後研究開発が進み、システムの向上や初期コストの低価格が実現すれば、再び普及が進む可能性はゼロではないでしょう。

海のエネルギー利用(研究中)

近年では、海面付近の比較的温い水と深海の冷たい水との温度差を利用して発電する「海洋温度差発電」のほか、波や潮が生まれる力を利用した発電システムの研究が進められています。

まとめ

今回は様々な再エネを見ていきましたが、そのどれもが地球、ひいては太陽からの恩恵のもとに成り立っているということが分かりましたね。
エネルギーの源となっている自然に感謝し、「再エネ普及のためにできること」を日々考えながら、当社は今後も太陽光発電システムの販売、そして施工に真摯に取り組んでまいりたいと思います!

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