小出力発電設備の事故報告が義務化!万が一に備えて報告すべき事故&報告方法を知っておこう

エネルギー(再エネ・化石燃料etc.)

再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、通称「再エネ特措法」の導入以降、小出力発電設備を中心に太陽光や風力といった再エネ発電システムの設置件数は年々増加しています。
一方、小出力設備を含む再エネ発電システム関連の事故が大きな社会的影響を及ぼしたケースも発生しており、近年では安全の確保が課題になっています。

こうした状況を踏まえ、事故原因の究明や再発防止対策を講じるために必要な事故情報を収集する目的で、2021年4月1日からは導入件数の多い小出力発電設備も事故報告制度の対象として新たに加えられることになりました。
そこで今回は万が一の事故が発生した時でも慌てないように、事故報告の対象となる設備や報告方法等について詳しく見ていきたいと思います。

新たに事故報告の対象となる設備とは

電気事業第38条で定める小出力発電設備のうち新たに事故報告対象に追加されるのは、「10~50kWの太陽光発電システム」と「20kW未満の風力発電システム」となっています。
なお、10kW未満の住宅用太陽光発電システムは対象外となっています。

報告するべき事故

報告の対象となる事故は、主に「➀感電等による死傷事故」「②電気火災事故」「③他の物件への損傷事故」「④主要電機工作物の破損事故」の4項目になります。
それぞれの詳細は、以下になります。

➀感電等による死傷事故
感電や電気工作物の破損もしくは誤操作等により、人が死亡または病院等に入院するといった被害を生んだ事故。

②電気火災事故
ソーラーパネルや風車ナセル等の電気工作物が原因で火災が発生し、山林等の他人の財産に損害を与える恐れのある事故(電気工作物にあたっては半焼以上の場合が該当)
なお、電気工作物それ自体の火災のみの場合は「④主要電機工作物の破損事故」として扱われる。

③他の物件への損傷事故
ソーラーパネルや風車ブレード等の破損もしくは誤操作等により、第三者の物件に対して本来の機能を損なわせる等の被害を与える恐れのある事故。
例えば、ソーラーパネルの飛散や敷地内の土砂崩れによる土砂流出が発生した場合には、公衆安全の観点から報告対象となる。

④主要電機工作物の破損事故
太陽光発電であればソーラーパネルや架台、風力発電であれば風車タワーといったような主要電気工作物の破損に伴う機能低下や喪失による運転停止等を引き起こす恐れのある事故。
なお、ソーラーパネルの場合は20%以上の破損で報告対象となる。

上記の4項目に当てはまらない、もしくは当てはまるか微妙なラインの事故については後述しますが、いずれにせよ事故が発生した場合には、まずは一度管轄の産業保安監督部に連絡することを推奨します。

事故報告の流れ

ここからは、事故発生から報告するまでの流れを具体的に見ていきたいと思います。

速報(事故発生後最初の報告)はいつ、どのように行う?

原則的には事故が発覚してから、もしくは気付いてから24時間以内には事故の速報(概要)について報告を行うよう定められています。
速報を行う際にまとめるべき点は、以下になります。

➀いつ(事故の発生した日時)
②どこで(事故の発生した場所)
③なにが(事故の発生した電気工作物)
④どうなった(事故の概要)


上記の4点についてまとめたら、電話、メール、FAXいずれかの方法で、発電設備の設置場所を管轄している産業保安監督部に報告を行いましょう。

事故の詳細はどのように伝える?

速報よりも詳細な事故情報(詳報)を報告する際には、独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」が運用する「詳報作成支援システム」を利用して報告書を作成する必要があります。
作成が完了したら、速報と同様にメール等で各産業保安監督部へ送るようにしましょう。

こんな事故は報告必要?気になるケースをチェック

事故報告の流れについて分かったところで、次は報告するべきか否か悩んでしまいがちな事故のケースについて見ていきましょう。

自然災害を起因とした電気工作物の破損・損壊の場合

土砂崩れ、積雪等による支持物の損壊、構内地盤の陥没、飛来物や雹によるソーラーパネルの破損、大雨や洪水による設備の浸水等、自然災害が起因となって発生した場合も事故報告の対象となります。

ソーラーパネルの破損が半壊未満の場合

「ソーラーパネルが強風等によって1枚程度飛散したものの、半壊には至っていない」という場合は、「④主要電機工作物の破損事故」には該当しません。
ただし、飛散が敷地外(柵外)にまで及んでいた場合は、「③他の物件への損傷事故」として事故報告を行い、電気事業法目的である「公共の安全の確保」の観点から今一度安全対策を立てる必要があります。

ソーラーパネルが半壊以上破損したが、人的被害や敷地外被害のない事故の場合

例えば、夜間に飛来物によってソーラーパネルが半壊以上破損したものの、周りに人もおらず敷地外に被害も与えていない場合は、「事故報告の必要はないのではないか」と思われがちです。
しかし、たとえ周囲の人や建物に被害を与えていなくともソーラーパネルが重大な破損をした以上は「④主要電機工作物の破損事故」に該当するため、いずれにせよ事故報告は必ず行わなくてはなりません。

その他の気になるポイント

ここでは、報告対象となる事故内容や報告方法以外の気になる点について確認していきましょう。

事故報告内容が第三者に公開されることはある?

事故報告を行った人の個人情報が開示されることは決してありませんが、場合によってはその事故がもたらす社会的影響等を鑑み、事故の概要が公表されることもあります。
また基本的に、報告された事故情報は統計処理が行われた上で「電気保安統計」として公表されます。

事故報告を期限内に行わなかった、又は虚偽の報告をした等の場合、罰則はある?

報告もしくは資料の提出をしなかった場合、又は虚偽の報告もしくは資料を提出した場合は、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
ただし、やむを得ない事情により覚知後24時間以内に事故報告をできなかった等の場合は、ただちに罰則の対象となることはありません。

報告先となる各産業保安監督部

最後に、事故が発生した場合の報告先となる各産業保安監督部について見ていきましょう。
管轄区域別の報告先は、以下になります。

<報告先一覧>※括弧内は管轄区域
・北海道産業保安監督部電力安全課(北海道)
・関東東北産業保安監督部東北支部電力安全課(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・新潟)
・関東東北産業保安監督部電力安全課(東京・千葉・神奈川・埼玉・群馬・茨城・栃木・山梨・静岡の一部)
・中部近畿産業保安監督部電力安全課(長野・愛知・静岡の一部・岐阜の一部・三重県の一部)
・中部近畿産業保安監督部北陸産業保安監督署(富山・石川・岐阜の一部・福井の一部)

・中部近畿産業保安監督部近畿支部電力安全課(滋賀・大阪・京都・奈良・和歌山・兵庫の一部・三重の一部)
・中国四国産業保安監督部電力安全課(鳥取・島根・広島・岡山・山口・兵庫の一部・香川の一部・愛媛の一部)
・中国四国産業保安監督部四国支部電力安全課(徳島・高知・香川の一部・愛媛の一部)
・九州産業保安監督部電力安全課(福岡・長崎・佐賀・大分・熊本・宮崎・鹿児島)

・那覇産業保安監督事務所保安監督課(沖縄)

一覧を見て分かる通り同じ県内でも区域が異なるケースがあるため、お住いの地域における事故報告先をしっかり把握したい場合は自治体に問い合わせるか、経済産業省のホームページから確認してみることをお勧めします。
その他、各産業保安監督部の電話番号やメールアドレス等の情報も経済産業省のホームページから確認できるので、いざという時のために控えておくと良いでしょう。

まとめ

今回は小出力発電設備における事故が発生した場合に備え、事故報告の流れや報告対象となる事故等について詳しく見ていきました。
「自分のところの設備は大丈夫だろう」と思っていても、事故とはいつどのようにして発生するか分からないものです。
そのような思わぬ事故の発生時にも慌てず冷静に事故報告を行えるよう、日ごろから設備の安全対策は行いつつも、事故報告方法もしっかり頭に入れておくことが大切だと言えるでしょう。

エネルギー(再エネ・化石燃料etc.)
読者登録・解除フォーム
読者登録をすると、更新情報をメールで受け取ることができます。


 

登録ボタンを押すと確認メールが届きますので、メールのご確認をお願いいたします。
お問い合わせ
太陽光発電・蓄電池等のご購入に興味のある方はこちらからお問い合わせください。
太陽光発電のお問い合わせ
蓄電池のお問い合わせ
太陽光発電最安値発掘隊
タイトルとURLをコピーしました