シャウエッセンの断髪式で話題!「食品包装のプラ削減」に取り組む食品メーカー5選

エコな取り組み

2月1日、日本ハムのシャウエッセンが従来の「巾着型」から姿を変え、プラスチック使用量を約30%削減した新パッケージでの販売がスタートしました。
パッケージの変更を控えた1月31日にYouTubeにアップされた「シャウエッセン断髪式」では、なんとシャウエッセン関係者たちが涙ながらにシャウエッセンの「まげ(結び目)」にハサミを入れる演出が。
これに対しSNS上は「シュール」「思わず泣いた」等のコメントで溢れ、大きな反響を呼びました。

参考URL:シャウエッセン公式サイト

近年ではシャウエッセンに限らず、食品業界全体で従来の包装から、環境負荷の低い新包装へ移行する動きが進んでいます。
さらに、4月1日からは政府が定めた「プラスチック資源循環促進法」が施行される予定となっており、プラスチック製フォークやストローなどを含む12品目の削減対策が義務化されるため、この動きはますます加速すると考えられています。

そこで今回は、食品包装に使用されるプラスチック削減に取り組む企業や、その具体的な取り組み内容について紹介します。

セブンイレブン

コンビニの中でも不動の人気を誇るセブンイレブン。
そんなセブンイレブンは2015年より、店舗で販売しているオリジナルサラダのカップ容器にバイオマスPETやリサイクルPET由来の「環境配慮型PET」を配合しています。
その中でも人気サラダシリーズの「カップデリ」には、容器のフタに「トップシール」を採用し、従来の容器からプラスチック使用量を約25%削減することに成功しています。

同じく店舗で販売している「おにぎり」のパッケージ印刷には、2016年より「ライスインキ」が採用されています。
ライスインキとは、米ぬかから抽出した米ぬか油の非食部分を原料として作られた環境負荷の低いインキです。
セブンイレブンは石油由来のインキからライスインキに移行したことで、年間60トンのCO2排出量を削減することに成功しています。

また、商品情報やお知らせなどを表示する店内ポップにはバイオマス由来のプラスチックが配合されており、従来の石炭由来プラスチック使用量から約12%削減することに成功しています。
さらに2020年には、チルド弁当の容器をプラスチック製から紙製に移行するなど、積極的にプラ削減に取り組んでいます。

参考URL:セブン&アイホールディングス「重点課題 3 商品、原材料、エネルギーのムダのない利用」

日清食品

1971年に誕生して以来、多くの人々に愛され続けている「カップヌードル」でお馴染みの日清食品。
そんな日清食品は、2008年より再生資源である紙を使用した「ECOカップ」をカップヌードルシリーズに採用しており、さらに2009年末からはより環境負荷の低い「バイオECOカップ」を採用しています。

2021年6月からは「カップヌードルDO IT NOW」プロジェクトの一環として、今までカップヌードルに付属していた「フタ止めシール」を廃止し、その代わりにフタをしっかり密閉できる「Wタブ」を採用しています。
2019年からスタートした「カップヌードルDO IT NOW」は、環境や食の安全、労働問題など、「地球と人の未来にすべきこと」に取り組むプロジェクトです。
フタ止めシールの廃止はこのプロジェクトのもと、プラスチック使用量の削減を実現するために行われました。

フタの右側と左側にそれぞれ耳のようなタブが付いた姿はまるで猫のよう…と思いながらフタをめくると、フタの裏にはかわいい猫の表情があしらわれており、テレビCM等で垣間見える日清食品のユニークさを感じることができます(※フタ裏に何も描かれていないパターンもあり)。
ちなみに筆者もまだ見たことはありませんが、シークレットキャラクターとしてフタの裏に「チベットスナギツネ」が描かれているパターンもあるそうです。
「カップヌードルをよく食べる」という方は、フタを開ける度にしっかりチェックしてみてはいかがでしょうか。

参考URL:日清グループ「製品を通じた環境配慮」
参考URL:日清グループ「”フタ止めシール” を廃止して、年間33トンのプラスチック原料を削減!」

味の素

うま味調味料「味の素」でお馴染みの味の素。
そんな味の素は、「2030年までにプラスチック廃棄物をゼロにする」という目標を掲げています。
目標達成に向けた第一歩として、2021年6月からは紙パッケージ版の「味の素」を販売しています。

また、グループ会社である味の素冷凍食品も、冷凍餃子等に使われていたトレイの使用廃止やパッケージの縮小化、ラベルの薄肉化等を通してプラ削減に取り組んでいます。
これらに加え、製品出荷時に段ボールを結束するために使われる「PPバンド」の使用量削減にも取り組んでいます。
その結果、味の素冷凍食品は年間プラスチック使用量を約53トン削減することに成功しています。

また味の素冷凍食品は、従来であれば電子レンジで調理する際にラップが必要だった冷凍食品を、ラップ無しでも美味しく調理できるようにするための商品開発にも取り組んでいます。
ラップ無しで調理できる商品が増えれば、家庭におけるプラスチック使用量の削減にも貢献することができると考えられています。
手軽で美味しい冷凍食品を食べながらプラ削減に貢献できるとは、まさに一石二鳥ですね。

なお、省資源化を行ったパッケージには、味の素グループ独自のECOマークである「あじペン®」が表示されています。

参考URL:味の素株式会社「紙製パッケージの「味の素」はご存知ですか?」
参考URL:味の素冷凍食品(株)の環境への取り組み

ヤクルト

乳酸菌飲料の「ヤクルト」や「ジョア」でお馴染みのヤクルト。
「毎朝オフィスにヤクルトレディが来るので、その時にヤクルトを買って飲んでいる」という方も多いのではないでしょうか。

そんなヤクルトは、2019年1月に「プラスチック資源循環アクション宣言」を発表して以降、環境負荷の低減に向けたプラ削減を積極的に進めています。
2020年10月には「ヤクルトのはっ酵豆乳」に付属するストローを、従来の石油由来のものからバイオマスを使用したものへ切り替えています。

また、ヤクルトを飲む際に「ストローが要る派」と「要らない派」がいることを踏まえ、「Newヤクルト」においてはストローが付属している「5本パック」と付属していない「10本パック」を用意し、購入者がストローの有無を選択できるようにしています。
これによって不要なストローを削減し、プラスチック全体の使用量削減に貢献しています。

さらにヨーロッパヤクルトでは、従来のプラスチック包装からカートン(紙製)包装への切り替えが着実に進む等、ヤクルトによるプラ削減の動きは国内外問わず広がっています。

参考URL:ヤクルト「プラスチック包装容器」
参考URL:ヤクルトCSRレポート2021(35P)

キッコーマン

日本料理に欠かすことのできないしょうゆ。
そしてしょうゆと言ったら、真っ先に浮かぶのが「キッコーマン」ですよね。
そんなキッコーマンは、ヤクルトと同様に「プラスチック資源循環アクション宣言」を発表し、プラ削減に取り組んでいます。

取り組みの一つとして、キッコーマンの看板商品である「キッコーマンしょうゆ(1L)」には、2010年より従来のボトルの重さである33グラムから12%軽量化した29グラムのボトルが採用されています。
また、しょうゆに並ぶ人気商品である「濃いだし本つゆ」においては、2011年より500mlと1Lボトルのラベルの厚さを薄くすることで、プラスチック使用量の削減と廃棄時の分別の容易化を実現しています。

比較的新しい取り組みとしては、2018年より実施されている「密封eco(エコ)ボトル」の採用があります。
素材を「ポリエチレン」から「ペットボトル」に切り替えることで、ペットボトルとしてのリサイクルを促すと共に、樹脂使用量を10%削減することで環境負荷の低減に貢献しています。

密封ecoボトルは、主に「しぼりたて生しょうゆ」をはじめとした「いつでも新鮮シリーズ」に採用されています。
環境に配慮しながらも、鮮度を保つ密封性や注ぎやすさも実現した密封ecoボトルは、まさにしょうゆ界に革命をもたらす存在だと言えるでしょう。

参考URL:キッコーマン「プラスチック資源循環アクション宣言」
参考URL:キッコーマン「いつでも新鮮シリーズ」

まとめ

お馴染みの食品・飲料メーカーが、ここまでプラ削減に取り組んでいたとは驚きでしたね。
今回紹介した商品は、どれもオススメするまでもないほど定番化していますが、今後は「プラ削減に取り組んでいる」という視点を加えた上で、改めて購入品として選択してみてはいかがでしょうか。

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