30年後にはコーヒーが飲めなくなる?「コーヒー2050年問題」を防ぐためには

環境問題

皆さんは、コーヒーはお好きですか?
朝食のお供に、カフェでデザートと一緒に、仕事の合間の気分転換になど、多くの人にとってコーヒーは「日常の中のほっと一息つく瞬間」に無くてはならない存在です。

そんなコーヒーですが、気候変動の影響により栽培地が減少してしまう「コーヒー2050年問題」が懸念されています。
もしこの問題が現実化すれば、将来今のようにコーヒーを気軽に飲むことはできなくなってしまうかもしれません。
今回はコーヒー2050年問題とは何か、それを防ぐためにはどうすればいいのかについて考えていきましょう。

コーヒー2050問題とは?

地球温暖化による気候変動は、現在世界中で解決を重視されている課題です。
そしてこの地球温暖化は、生産できる地域が限られているコーヒーの栽培にも大きな打撃を与えています。

コーヒーの栽培において最も深刻な問題は、現在のコーヒー栽培地が地球温暖化によって減少してしまうことです。
このままのペースで地球温暖化が進むと、コーヒーの生産大国として有名なブラジル国内の栽培適地は、2050年には60%も減少してしまうと考えらえています。
また同じく有名な生産地であるアラビカのコーヒー栽培適地も、2050年には50%近く減少すると言われています。
このように、地球温暖化の進行によってコーヒーの栽培地が減り、生産量自体が徐々に減っていくかもしれないという懸念事項がコーヒー2050問題です。

コーヒー2050年問題が深刻視されている一方で、コーヒーの需要は世界的に年々増加傾向にあります。
その背景には、中国やインドといった近年著しい成長を遂げている新興国の存在があります。
急激な経済成長に伴い生活水準が一気に向上したことによって、コーヒーの消費量も急速に拡大していることが分かっています。
また日本では、コーヒーチェーン店やコンビニで買えるリーズナブルで美味しいコーヒーが人気を博し、消費量が増大しています。

世界各国でコーヒー需要が高まっている矢先に2050年問題が起こってしまうと、需要と供給のバランスが大きく崩れ、深刻なコーヒー不足が起こるのではないかと予想されています。

コーヒー2050年問題が招く事態

もしコーヒー2050年問題が現実になってしまうと、価格や労働者不足など、生産にまつわる様々な面で悪影響が発生するおそれがあります。
ここでは、コーヒー2050年問題がもたらすと考えらえている具体的な影響について解説していきます。

収穫量・品質が低下する

コーヒーの栽培地である通称「コーヒーベルト」には、基本的に「雨季」と「乾季」の2つの季節があります。
雨季には実を成長させ、乾季には実を収穫し加工するというサイクルでコーヒー栽培を行っています。
この雨季と乾季の差がはっきりしている程、コーヒーの実はしっかり熟され上質なものとなります。
しかし地球温暖化の影響によって、年々雨季と乾季の境目は曖昧になっており、このままいけば全体的な雨量も少なくなると考えられています。

寒暖差の減少によって最も懸念されていることは、アラビカ種の収穫量が減少することです。
アラビカ種は基本的に気温15〜24℃、寒暖差のある標高450〜2,300メートルの栽培条件が適しています。
温暖化によって著しく寒暖差が減少した場合には、今よりさらに標高の高い場所に栽培地を移動するか、別の種の生産に切り替えるしかないと考えらえています。

降雨量が減少する一方で湿度は上昇すると考えられていますが、これもまた生産量の減少に影響を及ぼすおそれがあります。
湿度はコーヒーの木の天敵である「さび病」の発症原因となるため、コーヒーの生産にこれまで以上に手間や繊細さを要するようになるかもしれません。
何より、このように地球温暖化が栽培環境全体を悪化させることで、コーヒーにとって最も大切な品質が低下してしまうのではないかと懸念されています。

生産者の減少および貧困化

地球温暖化によってコーヒーの栽培地が減少すれば、結果的にコーヒーの収穫量も減少します。
そうなってしまうと、コーヒー栽培を生業としている農家の多くが貧困化を余儀なくされる可能性があります。
場合によっては、コーヒー栽培そのものを続けることが困難になる農家も出てくると考えられています。
生産地に続いて生産者の減少が起これば、コーヒー不足はさらに加速していくことになるでしょう。

価格が高騰する

コーヒーの生産量が減り続ける一方で、消費量は今後も増加していくと考えられています。
もし遠くない将来、消費量が生産量を上回った場合は、コーヒーの価格は現在よりも大幅に跳ね上がる可能性があります。
今は当たり前のように飲むことができるコーヒーですが、もコーヒー2050年問題が現実となった場合、コーヒーは簡単に買うことのできない高級品になってしまうかもしれません。

これからもコーヒーを守っていくための対策

コーヒー2050年問題を現実化、近頃では地球温暖化に対応できる品種の開発や新しい生産体制の考案などが積極的に進められています。
ここでは、コーヒー2050年問題を防ぐために行われている様々な対策について紹介していきます。

新たな品種の開発

持続可能なコーヒー栽培を目指す研究機関であるWorld Coffee Research(WCR)は、現在IMLVTと呼ばれる計画を進めています。
IMLVTとは“International Multi-Location Variety Trial”の略称で、「国際品種栽培試験」という意味となっています。
IMLVTプロジェクトでは、地球温暖化に対応可能かつ病気にも強い丈夫な品種の開発研究を行っています。
この取り組みは世界26ヵ国で実施されており、日本からもキーコーヒー株式会社などを含む幅広い団体が参加協力しています。

「サステナブルコーヒー」の確立

コーヒーの品質開発が進む一方で、環境負荷の少ない方法で生産および流通される「サステナブルコーヒー」の確立を目指す取り組みも進められています。

サステナブルコーヒーにおいて注目すべきは、コーヒー豆のかすを利用したコーヒー栽培です。
コーヒー豆のかすは、現在ほとんどが産業廃棄物として処理されています。
しかしサステナブルコーヒーの生産では、コーヒー豆のかすを廃棄することなくバイオ燃料に生まれ変わらせ、その燃料でコーヒーを焙煎するという手法を採っています。
このように環境負荷を減らし、未来に繋がる持続的なコーヒーづくりを目指す取り組みは、今後さらに注目されていくと考えられるでしょう。

個人で取り組める対策

コーヒー2050年問題の原因である地球温暖化を抑制するためには、CO2の排出量を減らすことが何より重要です。
直接コーヒーの生産や流通に関わることができなくても、一人一人がCO2削減を心がけるだけで、コーヒーを取り巻く環境は大きく改善するはずです。
ここでは、個人で取り組めるコーヒー2050年問題の対策例を紹介していきます。

ゴミの排出量を減らす

ゴミを焼却する際にはCO2が発生するので、ゴミを出さないことはCO2の削減につながります。
具体的にどう削減して良いか分からない場合は、「3R(リデュース・リユース・リサイクル)」を参考にすることをお勧めします。
ゴミの発生をできるだけ減らす「リデュース」、まだ使えるものを繰り返し活用する「リユース」、ゴミを別のものに変えて再利用する「リサイクル」を心掛けておけば、おのずとゴミの削減を行うことができるでしょう。
また、ゴミの分別を正確に行うことも重要です。
適切にゴミが処理されることで、不要なCO2が発生するのを防ぐことができます。

電気の無駄遣いをなくす

冷暖房の設定温度に気を配る、使っていない部屋の照明は消すなど、電気の無駄遣いをなくすように心掛けることも大切です。
太陽光などの再生可能エネルギーを活用することもお勧めです。
エネルギーは無駄に消費せず、大切に使うよう意識してみてください。

自家栽培や地域の緑化活動に参加する

地域で行われている緑化活動に参加する、自宅で緑を育てるなどの取り組みも、CO2削減に大きな効果をもたらします。
たとえ小さな面積であっても一人一人が取り組むことで、豊かな自然を生み出すことができるはずです。

まとめ

コーヒー2050年問題は決して遠い未来の話ではなく、現実となる日は刻一刻と迫っています。
コーヒーを当たり前に飲める日常を守るため、そして未来のため、まずはできることから取り組んでみてはいかがでしょうか。
そして「CO2削減に貢献するため、再生可能エネルギーを活用したい」とお考えの方は、長年太陽光発電システムを扱っている当社まで、是非一度お気軽にご相談ください。

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