エコ&便利&スタイリッシュ!今世界で話題の「電動キックボード」とは

SDGs

2017~2018年頃から、欧米を中心に人気が高まっている電動キックボード。
便利でスタイリッシュなのはもちろん、排気ガスを出さないエコな移動手段としても注目を集めています。

日本では道路交通法との兼ね合いから中々普及が進んでいませんでしたが、2020年10月の規制緩和以降、都内を中心に続々とシェアリングサービスが展開されています。
今回は、そんな電動キックボードの特徴や、実際に乗る際の注意点などについて解説していきます。

電動キックボードとは

キックボードと聞くと、地面をキックしながら走らせる乗り物というイメージがありますよね。
電動キックボードの場合はそこに電動モーターが搭載されており、出発時に2、3度地面をキックすれば、その後は電気の力がスムーズな走行をアシストしてくれます。
電動キックボードの他に、電動キックスクーター、eスクーター、eバイクなどと呼ばれることもあります。

モデルによって多少の違いはあるものの、電動キックボードの多くは時速20〜30kmでの走行が可能です。
走行距離は20km、25kmなど、ちょっとした移動を想定したものが多いようですが、近年では1回の充電で65km走行できるパワフルなモデルも販売されています。

また、一般的には短~中距離移動に適した立ち乗りモデルがよく知られていますが、近年では長距離移動にも対応可能な座り乗りモデルも販売されています。

電動キックボードの特徴

静かで心地よい乗り心地

電動キックボードは車やバイクに比べて低速なこと、また電動モーターを搭載していることから、非常に静かな走行を実現しています。
風を感じながら滑らかに走る心地良さは、他の乗り物では味わえない感覚となっており、普段の通勤や買い物をより一層快適なものにしてくれます。

モデルによっては公道の走行が可能

基本的に電動キックボードは原付バイクと同じ扱いとなっているため、モデルによっては公道を走ることが可能です。
また、渋滞時などには電源を切って乗らずに押せば、歩道を通ることもできます。

ただし、電動キックボードで公道を走るためにはヘルメットの着用とナンバープレートの取得が必須となり、さらにいくつかの装備を取り付ける必要があります。
具体的な装備は、以下の通りです。

・ナンバープレート取り付け版
・ナンバープレート照明灯
・ミラー(ハンドルの左右どちらかに付いていればOK)

・警報機
・ヘッドランプ
・テールランプ・ブレーキ灯
・前後ブレーキ(2系統以上の制動装置)
・スピードメーター
・ウインカー
・リフレクター(後部反射板)

なお、公道走行を想定したモデルの中には、あらかじめ上記の装備が搭載されているものもあります。
また公園や私有地内であれば、免許も公道走行に必要な装備も必要ないため自由に乗ることができます。

それでも近年では、電動キックボードが公道を含む車道を走行することを危険視する声が高まっています。
その対策の一環として実施されている「電動キックボードのシェアリングサービス」については、後ほど詳しく解説していきます。

持ち運びラクラク

電動キックボードの大きな魅力の一つに、コンパクトに折りたためて持ち運べるという点があります。
数秒程度で簡単に折りたたむことができ、手で持ち運ぶこともできるため、車に積んでドライブや旅行のお供にするのも良いかもしれません。
もちろん使わない時の収納場所にも困らないため、庭や駐車場、駐輪場などの無いマンションに住んでいる方にもオススメです。

地球に優しい

SDGsの推進や脱炭素化が叫ばれている昨今では、国内の自動車業界におけるガソリン車からEV車への移行も進んでいます。
2021年1月18日に行われた政府による施政方針演説では、「2035年までに新車販売でEV車100%を実現する」という目標が表明されました。
このように、どんどん勢いを増すEV化の影響を受けて、電動キックボードへの注目も年々高まっているのです。

電動キックボードはEV車と同様に排気ガス(温室効果ガス)を排出しないため、環境負荷の低い移動手段として注目を集めています。
今までガソリン車やバイクで通勤や買い物に行っていた人の多くが、移動手段を電動キックボードに切り替えた場合、日本は脱炭素化に向けた大きな一歩を踏み出せるかもしれません。

電動キックボードの基本的な乗り方

一見難易度の高そうな電動キックボードの乗り方ですが、一度覚えてしまえば簡単に乗りこなすことができます。

まず、両手でハンドルをしっかりと握ったら、利き足をまっすぐ前に向けた状態でボードに載せます。
この時、利き足はなるべく前方に載せるとバランスがとりやすくなります。 基本の姿勢がとれたら、反対の足で2、3度地面をキックして助走をつけます。

助走が安定したら利き足と反対の足もボードに載せ、右手の親指でアクセルをゆっくり押すと、スムーズな走行が開始します。
この時、アクセルを一気に押し込むと急加速して事故の原因となるため、必ずゆっくり押すようにしましょう。

減速したい時は右手親指をアクセルバーから離し、両手でゆっくりブレーキを握ると徐々に減速します。
また停車したい時は、減速して完全にスピードを止めてから地面に足をつくと停止します。
なお、曲がりたい時はその方向にハンドルを傾けると曲がることができますが、バランスを崩しやすいため初心者の方は注意が必要です。

現在日本で行われているシェアリングサービス

Luupが先駆けてサービスを展開

経済産業省は2020年10月16日、産業競争力強化法の「新事業特例制度」に基づく特例措置として、モビリティ企業のLuup、mobby ride、EXxの3社によるマイクロモビリティ推進協議会が提案した、「電動キックボードによる公道走行実証実験」の申請案件を認定しました。

この案件の認定以前、電動キックボードは「➀原付化して車道を走行」「②原付化せず車道や歩道を走行」といった二つの利用方法が主流となっていました。
しかし、➀は法令上の問題は無いものの危険性が高く、②は不適切な走行にも関わらず急増している点が問題視されていました。

このような背景から、マイクロモビリティ推進協会は「規制の適正化」を図るとともに「走行場所の拡大に伴う安全性・利便性の検証」を目指し、その結果実証実験が認可されたのです。

2021年4月23日には、Luupが実証実験を兼ねた本格的な電動キックボードのシェアサービスを開始しました。
前述したように、公道で電動キックボードを走行する際にはヘルメットを着用する義務がありますが、Luupの提供するサービスは政府の特例措置を受けており、日本で初めてヘルメットの着用が任意となっています。
なお利用料金は実証実験特別価格として初乗り10分で110円、それ以降は1分ごとに16.5円が加算されます。

Luupの利用可能エリア

2022年1月時点のLuup利用可能エリアは、都内では渋谷区、新宿区、品川区、世田谷区、港区、目黒区、千代田区、中央区の全域です。
300箇所以上のポートと100台の電動キックボードが用意されており、そのうち約200ポートで電動キックボードの乗り降りが可能となっています。

また大阪では現在、大阪キタ(梅田)とミナミ(難波、天王寺)の2エリアで利用可能となっており、100箇所のポートと10台の電動キックボードが用意されています。

さらに2021年10月からは、みなとみらい21地区でもシェアリングサービスが開始しました。
Luupによると、今後も提供エリアは拡大していく予定とのことです。

 Luupを利用する際の注意点

シェア用の機体には原付のナンバーがついていますが、原付免許では乗ることはできません。
利用するためには専用アプリから普通免許以上の運転免許証の登録を行い、走行ルールに関するテストを受けて満点を取る必要があります。

というのも、シェアサービスで貸し出される電動キックボードは前述した特例措置によって、農作業車などと同じ「小型特殊自動車」に分類されているからです。
これにより、シェアサービスの電動キックボードは最高速度が15km/h以下に制限されています。
ヘルメットの着用が任意となっている背景には、このような理由があるのです。

まとめ

新世代のマイクロモビリティとして注目を集めている電動キックボードですが、車やバイクと同じように交通ルールを守って正しく使用することが大切です。
安全な走行を心掛けた上で、エコで快適な移動を楽しみたいですね。

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