うどん、牛のげっぷ、通勤ラッシュに体温まで!?ちょっと変わった発電方法6選

SDGs

SDGsや脱炭素社会の達成に向け、世界では今再生可能エネルギーを用いた発電方法が加速的に普及しています。
代表的な発電資源としては、太陽光、風力、水力などがありますが、近年ではより資源を有効活用すべく、意外なものを使った発電方法の開発が進んでいます。
今回は、そんな「ちょっと変わった発電方法」にスポットを当てて紹介していきます。

「うどん」で発電

言わずと知れた「うどん県」としてお馴染みの香川県は、廃棄うどんを活用した発電事業に取り組んでいます。

うどんの消費量日本一を誇る香川県ですが、一方で廃棄されるうどんの量も多い点が長年問題視されてきました。
主に廃棄となるのは、製麵の際に省かれた不揃いな麺や茹でてから時間が経ってしまった麺などで、これらを集めると年間1,000トン以上にも及ぶと言われています。

県が誇るソウルフードであるうどんをどうにか有効活用できないかと考えた香川県は、2012年に「うどんまるごと循環プロジェクト」を立ち上げます。
このプロジェクトの一環として開始したのが、廃棄うどんを活用した「うどん発電」です。

うどん発電事業を担っているのは、産業用機械の製造を行う高松市の会社「ちよだ製作所」です。
ちよだ製鉄所は自社の敷地内にバイオマスプラントを構え、そこに廃棄うどんや生ごみなどを入れてメタンガスを発生させることで発電を行っています。
このプラントに毎日2トンの廃棄食材を投入した場合、1日あたり400kWhを発電することができることが分かっています。
これは、一般家庭30~40世帯分の電力使用量に相当します。

なお、発電後に残った残渣は小麦や米栽培用の肥料として活用されています。
「うどんまるごと循環プロジェクト」という名の通り、まさにうどんを余すところなく活用したプロジェクトだと言えますね。

「牛の排せつ物」で発電

「畜産業が地球環境に悪影響を与えるって本当?気になる点を徹底検証!」「環境に優しい&美味しい&ヘルシー!話題の「プラントベースミルク」7選」でも度々解説している通り、牛が排出するげっぷや糞尿は地球温暖化の原因の一つとして近年問題視されています。
牛のげっぷや糞尿には温室効果ガスである「メタンガス」が多く含まれており、畜産業の拡大によって牛の飼育頭数が増えたことで、空気中のメタンガス濃度が高まったと考えられています。

牛のげっぷや糞尿による地球温暖化は世界中で問題となっており、各国ではメタンガスの出にくい飼料の開発などが行われています。
そんな中、メタンガスを「減らす」のではなく「資源として活用する」方法として研究が進んでいるのが、牛の糞尿を使った発電です。

うどん発電がメタンガスを発生させて行われるように、メタンガスは使い方によっては有効な資源になります。
酪農・畜産分野においてもそれを実証すべく、日本各地では多くの牧場が畜産牛や乳牛の排せつ物を利用した発電事業に取り組んでいます。

たとえば農業と酪農がさかんな北海道の鹿追町では、2007年より国内最大級のバイオプラントの稼働を開始し、2016年には約4300頭の乳牛の糞尿をバイオガス発電に利用するシステムを作り上げています。
糞尿を発電に活用することは、環境問題の改善に貢献することはもちろん、廃棄物処理量の軽減や悪臭除去にもつながると期待されています。

「通勤ラッシュ」で発電

首都圏や都市部では、毎朝のように各路線で通勤ラッシュが起こっていますよね。
毎日経験している人にとっては、ある意味仕事をする以上にエネルギーを消耗する場面かもしれません。
そんな通勤ラッシュですが、実は比喩ではなく膨大なエネルギーを生む力を秘めていることが分かっています。

通勤ラッシュ時に生まれるエネルギーとは、具体的には人やモノが移動する際に生じる「圧力のエネルギー」です。
これを利用してJR東日本が2006年から行っているのが、「床発電システム」の実証実験です。
実験では、東京駅の自動改札通路の床に圧電素子を内蔵し、その上を多くの利用客が歩行することによって得られる電力量を調査しました。

実証実験は2006年に始まって以来計3回行われましたが、発電量、耐久性、歩きやすさなどにまだまだ課題があることから、2022年現在に至るまで未だ実用化していません。
とはいえ着実に技術は向上しているため、JR東日本は自動改札機や電光掲示板で使用する電力の一部を、ゆくゆくは床発電システムで賄うことを目標に掲げています。

「ダンス」で発電

輝くミラーボール、大音量で鳴り響く音楽など、一見エコや発電とはかけ離れたように思える空間、クラブ。
しかし環境意識の高いヨーロッパでは、すでに十数年前からクラブで人々が踊る際に生まれるエネルギーを活用した発電が行われています。

たとえばイギリス・ロンドンのナイトクラブ「Surya」は、2008年にオープンした世界初の「エコなナイトクラブ」です。
店内には再生木材を使用した家具が置かれていたり、省エネ型のトイレや照明が導入されていたりするなど、まさに随所に環境への配慮が施されたつくりとなっています。

そんなSuryaは太陽光発電や風力発電の他に、「ダンスフロア発電」も取り入れています。
圧力がかかると電力が発生する「電圧性結晶」をダンスフロアに内蔵しており、その上で人々が踊ることで電力が発生する仕組みです。
経営者によると、大勢の人が思いっきり踊った場合、店で使用する電力のうち60%は賄えるそうです。

また同じく2008年には、オランダ・ロッテルダムにも同様の発電システムを導入したナイトクラブ「Club Watt」がオープンしています。
「海外旅行もクラブで踊ることも大好き!」という方は、新型コロナウイルスが落ち着いて渡航制限が緩和され次第、どちらかのクラブに遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

「汗」で発電

汗をかくとベタベタしたり痒くなったりと、とにかく不快なことが多いですよね。
しかし近年、汗に含まれる乳酸がエネルギー資源として有効であることが判明して以来、世界各国で実用化に向けた研究が進められています。

たとえばカルフォルニア大学の研究チームは、2021年に指先の汗から電力を生み出すデバイスを開発しています。
開発チームによると、指先には汗腺が集中しているため、運動によって大量の汗をかかなくても効率的に発電できるそうです。

また、東京理科大学と花王は、体に張り付けて汗から電力を生み出す薄型バイオ電池の開発に取り組んでいます。
汗発電技術が実用化した暁には、エアコン代が気になる真夏ほど重宝することになるかもしれません。

「体温」で発電

アニメーションの世界には、電気を操る力を持ったキャラクターがしばしば登場します。
そこまでの特殊能力はないにせよ、近年では私たち人間の持つ体温から電力を生み出せることが分かっています。
この発見を踏まえ、世界各国の研究者たちは体温を活用した発電方法の開発に挑んでいます。
たとえば日本では、東京工業大学などが体温発電の研究に取り組んでいます。

また、2022年5月にはヘルスケア分野で事業を展開する「メディロム」が手掛けた、体温と外気温の温度差を利用して発電する「マザーブレスレット」の先行販売が開始しました。
マザーブレスレットは、心拍、睡眠、歩数、カロリーなどを自動計算して健康管理に役立てることができるヘルスケアブレスレットです。
従来のヘルスケアブレスレットの場合、充電のために手首から取り外す必要があるため、どうしてもデータが取れない時間が生じていました。
一方マザーブレスレットは充電の必要がないため、24時間365日正確なデータを計測し続けることができます。

今後体温発電の技術がより進めば、スマートフォンやタブレットの充電も自分自身の体で賄えるようになるかもしれませんね。

まとめ

今回は、あまり知られていない「ちょっと変わった発電方法」について紹介しました。
紹介した発電方法の中には、まだまだ普及していないもの、実用化していないものもありましたが、将来的には幅広く活用され、環境負荷の軽減につながることを期待したいですね。

参考URL:うどんまるごと循環プロジェクト
参考URL:家畜排せつ物のメタン発酵によるバイオガスエネルギー利用(農林水産省 農林水産政策研究所)
参考URL:4300頭の乳牛の糞尿をバイオガス発電と熱に(自然エネルギー財団)
参考URL:「床発電システム」の実証実験について (JR東日本)
参考URL:Eco nightclub set for launch in London
参考URL:Dutch Club to Recycle Dancers’ Energy
参考URL:汗で発電するバイオ電池、花王が東京理科大と共同研究(日経新聞)
参考URL:MOTHER – スマートブレスレット – 株式会社メディロム

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