野立て太陽光発電システムを建てるなら必須!雑草対策の方法と費用を徹底紹介

太陽光発電

野立て太陽光発電システムの発電力を低下させ、安定的な収入を阻んだり、設備の故障を招いたりする雑草問題。
さまざまなトラブルを未然に防ぐためには、なるべく設備の設置から間を空けず早期に対策を取ることが大切です。
そこで今回は、雑草問題が引き起こすトラブル、具体的な対策方法、それぞれの対策にかかる費用になどついて解説していきます。

雑草が太陽光発電事業やその周辺に与える影響

まずは、雑草が原因で起こるかもしれないさまざまなトラブルについて把握しておきましょう。

収入面

設備周辺の雑草がソーラーパネルを覆い隠すほどに伸び、その陰によって太陽光が遮られてしまうと、発電量が大幅に低下するおそれがあります。
発電量が低下すればその分売れる電力量も低下するため、収益の減少につながります。
また、設備設置後すぐに雑草対策をせず放置したことで雑草が伸びきってしまい、大掛かりな除草作業が必要になり、結果的に多額の費用がかかってしまったというケースもあります。

設備面

雑草が伸びっぱなしの状態が続くと、野立て太陽光発電システムを囲むフェンスの風通しが悪くなり、風が通り抜けなくなったことでフェンスが倒壊する場合があります。
また、雑草に隠れて動物が住み着いたり、パワコン内部にまで雑草が入り込んだことによって設備が破損したりするケースもあります。

地域面

野立て太陽光発電システムの敷地内に生えた雑草が敷地外まで伸びると、近隣住民にも迷惑がかかる場合があります。
実際、雑草に隠れて住み着いた動物によって近隣農場が荒らされたり、作物を食い荒らされたりといった被害が発生したケースもあります。

主な雑草対策方法

草刈り機で刈る

草刈りは雑草対策における最も基本的な作業であり、できれば年に4回は行うことが望ましいです。
年4回は厳しいという場合でも、雑草の成長期と言われる5~8月頃には最低でも1回草刈りする必要があります。

草刈り業者に依頼する場合、作業にかかる費用は業者によって計算方法が異なりますが、

➀作業面積
②作業時間
③除草量

のいずれかを基準に計算している場合がほとんどです。
中でも最も多いのが面積別で、1㎡あたり約200~300円、50㎡あたり約7,000~25,000円が平均的な相場となっています。

自力で草刈りを行う場合、草刈り機を購入もしくはレンタルする必要があります。
近年では1万円程度で購入できる草刈り機もありますが、野立てシステムを設置しているようなある程度広い土地の草を刈る場合は、10万~20万円程度の業務用芝刈り機を使った方が良いでしょう。
ちなみにレンタルであれば、一日約3,000~6,000円で業務用草刈り機を借りることができます。

また、草刈り機を使った業務を行うためには、「刈払機取扱作業者」の資格を取得する必要があります。
この資格は、「刈払機取扱い作業者安全衛生教育」という講座を受講することで取得できます。
受講費は各地自体によって異なりますが、基本的には1万円前後となっています。

ただし、たとえ刈払機取扱作業者の資格を取ったとしても、慣れないうちに草刈りを行うと、草刈り機のコントロールが上手くいかず、送電ケーブルやパネルなどの設備に損傷を与えてしまうことがあります。
その他の安全面や規模についても考慮すると、やはり業者に依頼するのが最も安心だと言えるでしょう。

除草剤を撒く

除草剤には、すでに生えている雑草を処理するために撒くタイプと、まだ雑草の生えていない土地に撒いて予防するタイプの2種類があります。
このうち予防するタイプの除草剤は、すでに雑草が生えている土地に撒いても効き目はありません。

また、一口に雑草と言っても、背丈が高くなるタイプ、這うように伸びるタイプなど様々な種類があるため、土地の状況や生えている雑草の性質に適した除草剤を撒くことが大切です。
除草費用も業者によって計算方法が異なりますが、一般的には

➀作業面積
②作業人数
③作業時間

のいずれかを基準に計算されます。
その上で平均的な費用相場は、草刈りと同様に1㎡あたり約200~300円、50㎡あたり約7,000~25,000円が目安となっています。

防草シートを敷く

防草シートは、その名の通り雑草が生えてくるのを防ぐシートです。
シートで雑草を覆うことで、植物の成長に必要な光を遮断し、雑草を枯れさせる仕組みとなっています。防草シートの上から砂利を敷くと、より防草効果を高めることができます。

防草シートを敷く際の注意点は、なるべく隙間を作らないようにすることです。
シート同士の継ぎ目の処理が丁寧に行われていないと、隙間から雑草が伸びてきてしまう可能性があります。
また、防草シートは経年劣化するため、数年単位で交換する必要があります。

肝心の価格は、防草シートの構造によって大きく異なります。
一層構造のシートの場合、1㎡あたり約50円と比較的リーズナブルですが、その分耐久性が低いため、2~3年で交換することになってしまいます。 それに対し、二重構造シートは1㎡あたり約3,000円と若干高価ではあるものの、その分耐久性も高く、製品によっては10~15年交換無しで使用できるものもあります。

太陽光発電システム自体、長期間運用するものであることを考えると、多少値が張ったとしても二重構造の防草シートを選んだ方が賢明だと言えるでしょう。

コンクリートで覆う

太陽光発電システムを設置した敷地内をコンクリートで覆い、雑草を防止する方法もあります。
この対策を行う場合、1㎡あたり約5000~1万円が相場目安となります。

コンクリートで覆うメリットとしては、草刈りや防草シートと違い、一度対策してしまえば定期的なメンテナンスや交換が不要となる点があげられます。
ただし、コンクリートを突き破って雑草が生えてくる可能性もゼロではなく、また夏場はコンクリートの照り返しによってパネルが高温になり発電効率が落ちる可能性もあるため、防草シートなど他の方法と合わせて対策することをお勧めします。

グランドカバーで覆う

グランドカバーとは雑草の成長や繁殖を防ぐために、雑草よりも強い特定の植物を植えることです。地表温度を下げる効果もあるため、雑草対策だけでなくパネルの温度上昇を抑える対策としても利用できます。

グランドカバーとして活用される植物は、主に以下の3種類です。

クローバー
クローバーは、1㎡あたり約150円で済むという圧倒的な安さから、グランドカバーとして長年高い支持を得ている植物です。
しかし、近年では「クローバーはグランドカバーに向いていないのでは?」という懐疑的な声が多くなっています。
どうやら、その繁殖力の高さから土地が肥えてしまい、かえって雑草の繁茂を促してしまうそうなのです。

個人宅の庭でクローバーを植えた場合であれば、こまめに踏んで成長を抑え込むことでグランドカバーとして活用できますが、野立て太陽光発電システムの設置場所のように広い土地での活用はやや不向きかもしれません。

②ダイカンドラ
クローバーに代わるグランドカバー植物として、近年注目されているのがダイカンドラです。
費用は1㎡あたり約65円〜100円となっており、クローバーよりさらにリーズナブルな点が特徴です。
ただし耐寒性が弱く霜や雪で枯れてしまう場合があるため、寒冷地での使用にはあまり適していません。

③クラピア
クラビアは、除草学者の倉持博士氏が開発した日本生まれのグランドカバー植物です。
倉持博士が10年の歳月をかけて行った開発研究によって、−10℃の環境でも繁殖できる耐寒性を実現しています。
雑草の約10倍の速さで地面を覆うことができ、地表温度を下げる効果もあるそうです。
ただし、費用は1m2あたり約2500円と、クローバーやダイカンドラに比べてコストが高い点がネックとなっています。

まとめ

一口に防草対策と言っても、色々な方法があることが分かりましたね。
いずれもメリット・デメリットの両方があるため、野立て太陽光発電システムがある場所の規模や地域、予算などと照らし合わせ、その環境に適した方法を選ぶと良いでしょう。

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