飛行機、レジ袋、割り箸…地球環境にとって良いか悪いかイマイチ分からないモノたち

環境問題

2020年現在、世界では多くの人々がスマートフォンを所持し、SNSが情報共有の主流となって久しくなりました。
しかしネットの海には非常に膨大な量の情報が溢れ返っており、中には「これって本当に正しいのかな…?」と首を傾げてしまうような情報も沢山あるのが現状です。

そして、それは環境問題に関するニュースにも同様に言えることです。
環境問題と一口に言っても、国単位で抱えている問題から世界規模の課題まで様々なため、もし誰かが誤った情報をSNS上で拡散してしまうと、たちまち国際問題に発展する可能性もあります。
また、「これって結局環境に良いの?悪いの?」と悩んでしまうような情報も多いため、いざ環境問題に取り組みたいと思っても何をすれば良いか分からなくなってしまう人も多いようです。

そのような事態を未然に防ぐためにも、また正しい情報を知った上でどのように環境問題に取り組むべきか考えるためにも、今回は特に「実際のところ環境に良いのか悪いのか」と話題に上がりがちな「飛行機」、「レジ袋」、「割り箸」に焦点を当て、1つずつチェックしていきたいと思います。

飛行機は環境に負荷を与えるって本当?

2019年、若き環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんが国連の気候変動会議に出席する際、飛行機ではなくヨットで彼女の母国スウェーデンから開催地のニューヨークまで渡ったことが話題となりました。
気候変動会議に限らず、他国で開催されたその他の会議またはデモに参加する際も、グレタさんは徹底して飛行機以外の移動手段を利用しています。
これらのニュースに対し、今まで何の疑問も特に抱かず飛行機を利用していた多くの人々は、「飛行機って環境に悪いの!?」と驚いたのではないでしょうか。

結論から言うと、飛行機が他の移動手段に比べ、フライト時に多くのCO2を排出することは事実です。
イギリスの行政機関Defraが2019年に発表したデータによると、交通手段の中で最もCO2を排出しているのは飛行機となっており、その後に車、バス、電車と続いています。
さらにCO2には、上空で排出されると地上よりも長く大気中に存在するという特性があるため、この点もさらなる温室効果を促進しているのではないかと懸念されています。

とはいえ、グレタさん自身も世界中の人々に飛行機に乗らないことを強制しているわけではなく、あくまでも「CO2の排出を抑えるためには1人1人の意識が大切」というメッセージを自身の行動によって訴えているのだと考えられます。
何より、グレタさんの母国であるスウェーデンやドイツでは飛行機利用に反対する人も増えているものの、現状ではまだまだ誰もがグレタさんのように飛行機の利用をせずに、ヨットや電車だけで移動できるわけではないですよね。
そのような世相を鑑みて、近年では多くの航空関連企業が飛行機によるCO2の排出量を減らすべく、様々な取り組みを行っています。
今年9月には、ヨーロッパ最大手の航空企業であるエアバスが「2035年までに水素を燃料とした温室効果ガスの排出量ゼロの旅客機を実用化させる」という目標を発表しています。
また一部の航空会社では、フライト時に排出されるCO2を相殺すべく、植林をはじめとした環境プロジェクトへの投資代を含んだ航空券を販売しています。

「環境へ負荷を与えるのでは…」と胸を痛めることなく快適に飛行機移動できる時代は、もしかするとそう遠くないのかもしれませんね。

レジ袋よりエコバッグの方が本当に環境に優しい?

今年7月から実施されたレジ袋有料化に伴い、日本ではエコバッグを持ち歩く人が着実に増えてきています。
たしかに使い捨てのレジ袋ではなく何度も使えるエコバッグを常備することは、一見環境改善に貢献しているようにも見えますが、一方で「やり方を間違えると、かえって環境負荷を高めてしまうのでは?」という意見も挙がっています。

イギリス環境庁の2011年の報告レポートによると、「レジ袋による環境負荷分を回収するためには、エコバッグを100回以上は使う必要がある」ということが分かっています。
さらにウィズコロナの現代ではエコバッグを清潔に保つ必要もあるため、洗剤を使って何度も洗濯することを考えると、場合によってはエコバッグの方が環境負荷を高めてしまう可能性もあります。
実際コロナ以降のアメリカでは「接触感染のリスクがある」という理由からエコバッグの使用を禁止した州や、同じ理由でこれまでは禁止していたレジ袋を解禁した州もあったようです。
なかなか毎日洗うことが難しいエコバッグに比べれば、毎回使い捨てできるレジ袋の方がある意味では衛生的なのかもしれません。

環境問題に限らず、コロナを取り巻く状況も刻一刻と変化しているため、「エコバッグを使っていれば地球環境も汚れないし安心!」と捉えて終わらせるのではなく、世の中の動きをしっかり見た上で、臨機応変にエコバッグを活用していけるよう心掛けるのが大切だと言えるでしょう。

割り箸を使うのは森林破壊?むしろエコ?

かねてより割り箸は「森林を浪費しているのではないか」という議論の的になっており、こと日本においては1960年代頃から度々「割り箸不要論」が取り沙汰されてきました。
1980年頃には「割り箸は熱帯林を破壊している」という報道まで出ましたが、後に熱帯林の木はほとんど割り箸の製造に使われていないことが判明し、このニュースに関する議論は沈静化しています。

このように、昔から割り箸には「森林破壊の原因」というイメージが定着していますが、実は日本国内において割り箸生産を主な目的とした大規模な森林伐採が行われることは、近年では滅多にないということが分かっています。
というのも、現在国内で生産されている割り箸のほとんどは、端材または間伐材を活用して作られています。
端材とは木材として建築などに使う木の中心以外の部分のことで、間伐材とは森林の風通しを良くするために間伐(間引くこと)された木のことです。
間伐は森林の荒廃を防ぐ重要な作業であるため、この点に関しては森林破壊を促進しているというよりも、むしろ森林保護の側面が強いと言えるでしょう。

しかし、これはあくまでも国産の割り箸における話で、現在日本国内で流通している割り箸のほとんどは、中国をはじめとした外国産となっています。
外国産の割り箸は安価で輸入できるとは言え、大量生産のために森林全体を伐採したり、その後再植林されないなどの問題点が指摘されています。
また、外国産の割り箸が市場を占め過ぎたことによる国内林業の衰退も懸念されています。

このようなことから、やはり割り箸は現時点では環境に良いとも悪いとも言い切れない、絶妙な立ち位置にあると言えるでしょう。
これを考えるきっかけと捉え、コンビニやスーパーで割り箸をもらった際には「どこ産だろう」と調べてみたり、国内産の間伐材割り箸を使ってみるなど、身近なことから割り箸と環境問題との関係について意識し始めてみると良いかもしれません。

まとめ

今回は「飛行機」、「レジ袋」、「割り箸」を取り巻く問題について、あらゆる角度から見ていきました。
ここで挙げたものに限らず、環境問題はどうしても住んでいる国、立場、思想、情勢などで捉え方が大きく変わってくるため、「この対策は正しい、これは正しくない」とはっきり言えることは、実はあまり無いのかもしれません。

それでも、少しでも環境問題を解決へ近づけるためには、様々な情報を照らし合わせた上で「これなら自分にもできる」「自分の考え方に合っている」と思える取り組み方を見つけることが大切だと言えるでしょう。

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