かつて「猫の宇宙飛行士」がいた!?宇宙へ飛び立った人間以外の生物たち

宇宙

1961年4月、ユーリ・ガガーリンが人類史上初めて宇宙に行ったことはあまりにも有名ですが、その有人宇宙飛行が成功するまでの間には、実に多くの生物たちが主に研究のために宇宙空間へ打ち上げられました。
そして有人宇宙飛行が度々行われるようになってからも、「宇宙飛行が動物に与える様々な影響を調査する」などの目的から、今日に至るまで様々な生物が宇宙へ飛び立っています。

幾度となく打ち上げが行われる中では奇跡的に生きて地球へ帰還できた生物もいれば、残念ながら宇宙飛行中に命を落としてしまった生物も少なくありません。
今回はそんな「かつて宇宙へ行った人間以外の生物たち」に焦点を当て、それぞれの旅の軌跡について紹介していきたいと思います。

ハエ

宇宙に送られた記念すべき最初の生物は、なんと小さなハエ(ミバエ)でした。
そのハエは1947年2月20日に、ライ麦の種や綿の種と一緒にV2ロケット載せられてアメリカのホワイトサンズ性能試験場(現在のホワイトサンズ・ミサイル実験場)から宇宙に打ち上げられました。
この実験の目的は、「高高度に飛び交う放射線による被ばくの影響を調査する」というものだったそうです。
打ち上げられたロケットは、宇宙空間の下限である高度100キロメートル(通称「カーマン・ライン」)にまで到達し、その後回収されたハエは生きていた上に健康体だったことが分かっています。

人間より先に霊長類として初めて宇宙へ向かったのは、1948年6月11日にアメリカからV2ロケットで打ち上げられたアカゲザルの「アルバート」です。
打ち上げ後ロケットは高度63キロメートルにまで到達しましたが、残念ながらカーマン・ラインまでは届かず、飛行中にアルバートは窒息死しています。
続いて翌年の1949年6月14日に打ち上げられた同じくアカゲザルの「アルバート二世(アルバートⅡ)」は最高で高度134キロメートルにまで到達し、記念すべき「初めて宇宙空間に行った猿」となりました。
しかしアルバートⅡはその後帰還の際にパラシュートの展開に失敗してしまい、命を落としています。

宇宙へ行った猿として最もその名を知られているのは、1961年にアメリカが打ち上げた「レッドストーン」に乗って宇宙へ飛び立ったチンパンジーの「ハム」です。
人間に非常に近い能力を持っていたハムは「宇宙船に取り付けられた模型計器盤を操作する」という任務をこなし、「宇宙飛行中でも動物による作業は可能である」ということを証明しました。
任務を終え地球に帰還したハムは、その後17年間生きたそうです。

その後もアメリカをはじめフランス、ソ連およびロシア、アルゼンチンなどの国でも猿の宇宙飛行実験が行われ、これまでに打ち上げられた猿は全世界で30匹以上にものぼっています。

犬は「しつけやすい」「飢えに強い」といった理由から、研究目的に限らず各国における記念日などの節目に打ち上げられることもあったようです。
初めて宇宙飛行を実現した犬は、1951年1月29日にソ連の弾道ロケットにて打ち上げられた「デジク」と「ツィガン」の2匹でした。
2匹ともカーマン・ラインに到達後無傷で地球に帰還しましたが、デジクは同年9月に実施された2度目の飛行時に、一緒に打ち上げられた「リサ」という犬と共に死んでしまいました。

また、世界で初めて地球軌道上を周回した生物として有名なのが、ソ連が打ち上げた「ライカ(またの名をクドリャフカ)」という犬です。
1957年、当時のソ連を率いていた共産党の第一書記であるニキータ・フルシチョフの「革命記念日までに何か目立つものを打ち上げたい」という要望により、同年11月3日にライカは「スプートニク2号」に乗って宇宙へ飛び立ちました。
当時の技術では大気圏へ再突入するための装置を作ることが難しかったため、残念ながらライカの宇宙飛行は初めから「帰り道の無い旅」と決まっていました。

その後、ソ連は「計画通りライカは打ち上げから10日後に毒入りの餌を食べて安楽死した」と発表し、長年それが真実として知られていました。
しかし打ち上げから45年後の2002年、スプートニク2号の開発に関わった科学者の一人が発表した論文にて、「ライカは打ち上げ数時間後には過熱とストレスにより死んでいた」という真実が明かされています。

このようなライカをはじめとした宇宙に行った犬たちの哀しい旅の軌跡は、2020年に「SPACE DOGS」というタイトルでドキュメンタリー映画化され、同年にアメリカで公開されています。

宇宙に行った最初かつ唯一の猫は、1963年10月18日にフランスの観測ロケット「ヴェロニクAGI47」によって打ち上げられた「フェリセット」という名の猫です。
当時アメリカ、ソ連に次ぐ第3の国際宇宙研究機関を設立したばかりだったフランスは、宇宙開発競争に身を投じる上での重要な転機とすべく、史上初となる猫の宇宙飛行を計画しました。
フェリセットはその計画を進める上で集められた14匹の猫の中でもとりわけ穏やかな性質を思っていたため、実際の任務を行う猫に任命されたそうです。

13分間の飛行でフェリセットは高度157キロメートルまで到達し、その後無事に地球に帰還しましたが、打ち上げから3ヶ月後に脳の解剖調査を行うために安楽死させられています。
また、フェリセットが任務を終えた直後には別の猫が宇宙に向けて打ち上げられましたが、打ち上げ時にロケットが爆発したことにより命を落としています。

フェリセットは宇宙飛行に成功した唯一の猫であるにもかかわらず、長年その認知度は決して高いとは言えませんでした。
しかし2017年に行われた「フェリセットの功績を讃えよう」という趣旨のクラウドファンディング活動により、2019年にはフランス・ストラスブールの国際宇宙大学に銅像が設置されています。

ネズミ

一見人間とは似ても似つかないネズミですが、実はネズミは人間とよく似た大脳皮質を持っています。
そのため「宇宙環境が人間に及ぼす影響」が顕著に分かるとして、1950年にアメリカがハツカネズミを宇宙に打ち上げて以降は、現在に至るまで実に多くのネズミが宇宙空間へ飛び立っています。

2020年には東北大学とJAXAの研究チームがタッグを組み、「加齢による変化を食い止める研究」を目的とした12匹のネズミの飼育が、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」にて実施されました。
この研究の後には、世界で初めて宇宙に打ち上げた全匹が生きたまま地球に帰還しています。

カエル

宇宙酔いに関する研究のため、アメリカが1970年に2匹のウシガエルを生物衛「OFO」に搭載して打ち上げたのが最初のカエルによる宇宙飛行です。
1990年には、日本人宇宙飛行士である秋山豊寛氏がミール宇宙ステーションにニホンアマガエルを6匹連れて行き、宇宙船内の微小重力下でカエルがどんな姿勢や行動を示すかを観察したそうです。

メダカ

1994年7月、日本人宇宙飛行士の向井千秋氏が搭乗したスペースシャトル「コロンビア号」には金魚やアカハライモリと共に4匹のメダカが持ち込まれ、15日間の宇宙飛行を行いました。

宇宙飛行中にメダカは産卵を行い、産卵された卵は順調に育ち、やがて幼魚としてふ化することに成功します。
この快挙は、当時「世界で初めて無重力状況下における脊椎動物の生殖に成功した」として世界中で話題となりました。
そして、この時に誕生したメダカおよび地球帰還後に誕生したメダカは、「宇宙メダカ」という愛称で親しまれるようになりました。

その後宇宙メダカは日本各地の学校や科学館に配られ、現在でも子孫を増やし続けています。

まとめ

今回は、宇宙へ飛び立った様々な生物について紹介していきました。
進化し続ける宇宙研究の陰には、時には明るい、時には悲しい結末を迎えた生物の存在がいくつもあります。
今度宇宙について思い馳せる時は、そんな生き物たちのことも思い出してみてはいかがでしょうか。

ちなみにこのコラムでは紹介しきれなかったものの、宇宙へ飛び立った生物は他にも多数いるため、気になった方は是非調べてみて下さいね。

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