世界の太陽光発電事情をのぞき見!日本と比べて普及率は?

太陽光発電

当コラムページでは、日本における太陽光発電システムに焦点を当ててお話してまいりましたが、 再生可能エネルギー(以下再エネ)の普及に力を入れているのは何も日本だけではありません。
「太陽光発電発祥の国はどこ?」「諸外国に比べて日本の普及率は高い?低い?」
などなど、気になるポイントはたくさんありますよね。
今回は太陽光発電システムを導入している国の中でも、
特に再エネ普及に力を入れている国にスポットを当ててチェックしていきましょう。

世界における太陽光発電の歴史

太陽光発電発祥の地は○○○○!

太陽光発電の原理が発明された起源は、なんと180年以上前まで遡ります。
1839年、フランスの物理学者であるアレクサンドル・エドモンド・ベクレルが
世界で初めて「光起電力効果」を発見しました。
「光起電力効果」とは物質に光を当てることで電力が発生する現象のことで、
これを応用したアメリカの発明家チャールズ・フリッツの手により、
1883年にはセレン光起電力セルが発明されました。
このセレン光起電力セルは後の太陽光発電に繋がる存在となりましたが、
当時の太陽光変換効率は1~2%と非常に低かったため、実用化への道は程遠いものでした。
さらに時は流れ1954年、アメリカのベル電話研究所にて遂に世界初の太陽光電池が開発されます。
しかし、意外にもこの太陽光電池は苦心の末に開発されたものではなく、
トランジスタの開発過程において偶然生まれたとの説があります。
偶然が偉大な発明を生む時もある、ということがよく分かるエピソードですね。
そして世界初の太陽光電池が開発されてから一年後の1955年、日本でも初の太陽光電池が開発されます。
世界から見ても、日本はいち早く太陽光発電に着目していたと言えるでしょう。

待望の太陽光電池実用化!初の仕事場はなんと…!?

1954年には世界初の太陽光電池が開発されたものの、当時の技術では大量生産も難しく
非常に高価だったため、人々の生活の中で実用化するには厳しい状況が続いていました。
開発から4年後の1958年にはついに太陽光電池が実用化されるのですが、
その用途はなんと「人工衛星のバッテリー」という大変特殊なものだったのです。
アメリカ海軍が所有していた「ヴァンガード1号」に搭載された太陽光電池は、
打ち上げから6年間電力を維持することに成功しました。
外部からの電力供給が不可能である宇宙空間において、長期間の自己発電及び電力供給を行える太陽光電池は当時非常に画期的であり、後の宇宙開発に繋がる偉大な功績を残しています。

住宅用太陽光発電システムの世界的な普及

1973年のオイルショックを受け、それまでエネルギー源の大半を石油が占めていた
日本を含む当時の工業先進国は、未曽有の経済恐慌に陥ります。
これをきっかけに先進国の多くが中東の石油に依存していたことが明白となり、
再エネの研究及び普及に向けた動きが活発となるきっかけになりました。
中でも日本は実用化に向けて熱心に取り組み、1993年には初の住宅用太陽光発電システムが誕生しました。
しかし当時は導入するにも莫大なコストが必要だったため爆発的な普及とはならず、
導入量は2000年代前半まではどの国も横ばい状態が続いていました。

しかし1990年代後期~2000年初期にかけてヨーロッパ諸国がいち早く
固定買取価格制度を策定し、これを皮切りに徐々に世界規模での
太陽光発電システム普及が進んでいきました。
日本ではドイツとスペインに続く形で2009年に余剰電力買取制度が策定され、
2012年に固定価格買取制度に移行しています。

諸外国の太陽光発電システム普及事情をチェック!

再エネ先進国と名高いドイツ

欧米諸国の中でも、長年積極的に再エネの研究開発に取り組んでいたのがドイツです。
1970年代中期、オイルショックに日本と同様の大打撃を受けたドイツは、
石油に代わるエネルギー源として原子力発電の開発を始めました。
その後17基もの原子力発電所が国内に設置されましたが、1986年のチェルノブイリ原発事故を受けたことをきっかけに、次に政府は原子力発電に変わる再エネの開発と普及に力を入れ始めます。
中でも風力発電と太陽光発電の普及は目覚しく、1998年には家庭向けの電力が完全自由化されたことで、再生可能エネルギーの普及が徐々に広がることとなりました。
2018年の4~8月には太陽光による発電量が火力による発電量を上回り、
再生可能エネルギーの普及に比例して原子力発電や化学燃料の運用は年々減少しています。
さらに2019年には、ドイツ国内総発電量のうち40%を再生可能エネルギーが
占めるまでに至っています。
また2017年に施行された「FIP制度」も自家発電普及促進の理由の一つとなっていますが、これについては後ほど詳しく触れていきます。

近年圧倒的な普及率を誇る中国

中国の太陽光発電研究は1958年には開始していたものの、2000年以降しばらくの間、
その生産数及びシェア数はヨーロッパや日本に及びませんでした。

しかし潤沢な資金の基に市場の大規模な拡大を続けた結果、
2007年には生産数及び成長率において世界1位を獲得しています。
その後も中国政府はクリーンなエネルギーの開発及び普及に力を入れ続け、
2019年時点の太陽光発電量ランキングではアメリカ、日本、ドイツを押さえ堂々の1位に輝いています。
この普及の裏には、中国が長年抱えている大気汚染問題があるということは無視できません。
2015年に採択されたパリ協定(気候変動に関する国際的な枠組み)においても、
中国は温室効果ガスやPM2.5の大幅な削減目標を表明しています。

しかし、中国は今でも石炭由来の化石燃料を運用しており、それによる大気汚染はいまだ深刻な状況が続いています。
さらに近年では汚染された大気が太陽光を遮り、ソーラーパネルの発電効率を大幅に下げているという本末転倒な研究結果も出されています。
中国の太陽光発電システム普及はめざましいものの、環境問題の全面的な解決までは
まだまだ時間がかかると言えるでしょう。

ヨーロッパ諸国で導入が進む「FIP制度」とは?

FIPとは「Feed-in Premium(フィード・イン・プレミアム)」の略です。
日本で施行されているFIT法では売電額が固定されているのに対し、
FIP制定下では売電価格は電力卸市場の価格の上下に応じて変動します。
さらにFIP制度の場合、市場で売電する際に「プレミアム価格」として補助金が
上乗せされるシステムとなっています。

FIT法とFIP制度は一見似ているようで、その目的は全く異なっています。
FIT法は「再エネ普及」を最大の目的としているため、売電による収入よりも
「設備コストの確実な回収」という点が最重要視されています。
それに対しFIP制度は、再エネによる発電を自立した事業として確立させること、
またそれによる電力市場での競争力促進を目的としています。
この制度はドイツ、ベルギー、スペインなどのヨーロッパ諸国で徐々に導入されつつあり、それに後押しされるように住宅用太陽光発電システムの普及も広がりました。
日本では2012年から現在までFIT法が施行されていますが、早ければ2021年4月からFIP制度に移行すると言われています。

日本の太陽光発電システムのこれから

1955年に国内初の太陽光電池が開発されてから、日本もまたドイツに負けない再エネ先進国として太陽光発電システムの開発及び普及に力を入れてきました。
しかし日本が「2030年までに再生可能エネルギーの比率を20%以上にする」という目標を立てている一方、ドイツでは既にその数値を達成し、
さらに近年では中国やアメリカの台頭も著しくなっています。
諸外国の取り組みを参考にしつつも、日本の情勢や環境に合わせた太陽光発電システムの普及が着実に進むことを願うばかりです。

まとめ

太陽光発電システムの始まりから、近年再エネ普及に力を入れている
諸外国の取り組みについても見ていきました。
日本国内におけるさらなる太陽光発電システム普及へのヒントを探すためにも、
当社としても引き続き各国の再エネ事情を調査してまいりたいと思います

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